『ホワイトハウスの職人たち 』 マイケル・ユー
アメリカ大統領が住んでいるところ、そこがホワイトハウスです。いわばアメリカの王宮ですから、それを維持するためには大勢の人たちの力が必要です。
かつてのホワイトハウスでは、シェフの仕事は大統領の家族の食事を作ることだけだったのだそうです。ですから、大きなパーティーなどの時にはレストランやホテルに依頼していたのだそうです。
ホワイトハウス常駐のシェフがパーティーの料理も仕切るようになったのは、ケネディ大統領の時からなのだそうです。ジャクリーン・ケネディがフランス人のルネ・ヴェルドンを雇ったところから、ホワイトハウスの食事のレベルがグンと上がったのだそうです。
ホワイトハウスの料理の特徴は、特殊な香辛料以外はすべてアメリカ製の食材を使っていることにあるのだそうです。もちろん主賓の好みや宗教上の条件なども考慮に入れていますが、あくまでもアメリカの料理ということにこだわっているのだそうです。
そして、美味しいデザートだけれどカロリーは高くならないようになど、常に健康面を第一に考えているのだそうです。だから、大統領を辞めると太る人が多いのだとか。
この本の中で紹介されている職人は、フローリスト、床屋、仕立屋、学芸員、料理人だけですが、他にも沢山の職人技がホワイトハウスを支えているのでしょうね。
そういった職人を選ぶのはファースト・レディの仕事なのだそうですが、やはりオシャレに気を使っていたジャクリーン・ケネディやナンシー・レーガンは、他の人たちとはかなり違うこだわりを持っていたんですね。
大統領が変わると、役人や大臣などは殆どそっくり変わりますが、ホワイトハウスの職人さんたちは、ほとんど変わらないのだそうです。
最近の傾向は、アメリカ生まれではない人たちが多く働いているということです。それは、多民族国家であるからというだけでなく、才能があればあらゆる人にチャンスが与えられるということですよね。そういうアメリカらしさはとてもいいことだと思います。
数日前に、景気対策法案に含まれた「バイ・アメリカン(アメリカ製品を買う)」条項に反対する考えをオバマ大統領が表明したというニュースを聞きました。
「自国のことばかり考えて、保護主義的なメッセージを送るのは誤りだ」
こういう発言をできる大統領って本当に素晴らしいと思います。なのに、閣僚指名を辞退する人が相次いでいるのって悲しいですね。納税もれとか、様々な理由を挙げていますけど、誰か足を引っ張ってるんじゃないの?という気がしてしょうがありません。
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