『山椒魚戦争』 カレル・チャペック
この本を図書館で見つけて思わず借りてしまったのですが、家で本を開いてみたら「英訳からの重訳であり、内容を3分の2に縮めた簡約版です」ということだったので、アララと思ったんですが、読んでみたらそれなりに面白かったですよ。
この作品に登場する山椒魚たちは、南の島で偶然発見された知的生物です。人間たちは彼らを労働力として使うことに気が付きます。彼らの立場を考えてみると、「奴隷」とか「ロボット」とかという言葉に変えても成立してしまうようなものなのです。
人間とは何と自分勝手なんでしょう!そのツケが回ってきて、初めて自分がしたことに気がつくのだけれど、そんなことには気が付かないようなフリをしようとするし、反省しないし、しょうもないなぁ!
この本の著者カレル・チャペックは「ロボット」という言葉を作った人です。彼がいなければアトムも生まれないし、R2D2やC3POも存在しません。ほぼ1世紀前に彼が予測した未来は、かなりの確率で実現されています。
チャペックは園芸についてのエッセイも面白いし、絵本も書いているし、とっても不思議な人です。今年は彼に注目してみようかなぁ!
「ロボット」も読まなくっちゃね!
993冊目(今年28冊目)☆☆☆☆☆
外国作品を読もう!キャンペーン 6冊目
« 『大奥 第2巻』 よしながふみ そして 『ブッダ 第2巻』 手塚治虫 | トップページ | 『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七 »
「海外 小説」カテゴリの記事
- 『オリーヴ・キタリッジの生活』 エリザベス・ストラウト(2022.06.26)
- 『昨日』 アゴタ・クリストフ(2022.06.07)
- 『書店主フィクリーのものがたり』 ガブリエル・ゼヴィン(2022.06.06)
- 『幽霊たち』 ポール・オースター(2022.05.07)
- 『10の奇妙な話』 ミック・ジャクソン(2022.05.06)
« 『大奥 第2巻』 よしながふみ そして 『ブッダ 第2巻』 手塚治虫 | トップページ | 『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七 »
コメント