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『朗読者』 ベルンハルト・シュリンク

朗読者

ベルンハルト・シュリンク
Bernhard Schlink

新潮クレスト・ブックス

ドイツ

一万円選書 の中の一冊

 ミヒャエルとハンナは出会ってしまったのです。歳の差など何の問題でもありませんでした。誰にも秘密の2人だけの時間は濃密で、魅力的だったのです。

 「あんたはとってもいい声をしているじゃないの、坊や、あたしは自分で読むよりあんたが読むのを聞きたいわ」

 ハンナにそう言われたミヒャエルは、彼女の部屋で朗読をするようになったのです。そして数年後、彼女が何故朗読をして欲しいと言ったのかの本当の意味を知ることになったのです。

 

 戦争によって人生を狂わされてしまった人々は、本当にたくさんいるのでしょうね。国の命令によってしたことが、後になってみれば重大な犯罪だと言われても、それを行った個人にはなすすべもないのです。それを裁かれる事になったとき、そこに本当の正義があるのかどうかは、難しい問題です。

 

 重いテーマを抱えながらも、これは終りのない愛の物語なのだとわたしは思うのです。

 

995冊目(今年30冊目)☆☆☆☆☆
外国作品を読もう!キャンペーン 7冊目

 

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海外 小説」カテゴリの記事

コメント

Rokoさん、こんにちは。
ああ、確かに終わりのない愛の物語ですね。
一時は2人とも終わったんだと思ってたのでしょうけど…

ほんといいお話でしたね。
シュリンクは3冊読みましたが、今のところ
これが一番好きです。
あ、でも短編集も良かったですよ。^^

四季さん☆こんばんは
ドイツという国にとって、ホロコーストは絶対に忘れることのできない重い問題なのだと再確認してしまいました。
そして、それ以外にも色々と考えさせられました。
人生とは常に人それぞれなのだと・・・

Rokoさん、こんばんは♪
TBさせていただきました。
私にとっては大好きな一冊となりました。
なかなかRokoさんの“終りのない愛”というように的を射た表現はできないけど、切ない作品ですね。

これはドイツ語だから原書では読めないけど(笑)、再読したい一冊ですね。
再読すれば、もっともっと二人の気持ちがわかると思いますわ。

トラキチさん☆こんばんは
愛しているのに、逢いたいのに、一緒に生きることができなかった2人の運命を考えると本当に切ないですね。
また何年か後に読み返してみたい、素晴らしい作品でしたね。

こんにちは~♪
ドイツ人にとっては忘れられない、忘れてはいけない重たい問題なんだなぁ・・・と改めて知ってびっくりしたというか。
あちこちのレビューでネタバレ云々・・・とよく書いてあったので、少しミステリ的な読み方しちゃったのですが、少し時間をあけて再読してじっくりもう一度恋愛物語としても味わいたいなぁ~と思いました。(^^)

板栗香さん☆こんばんは
「忘れないように残していこう」という気持ちがどれだけあるかですよね。
被害者としての過去も、加害者としての過去も、同じように重要な遺産であるはずです。
戦争のために引き裂かれてしまった愛は、余りにも切なかったですね。

コメントしなくて申し訳ないですが、みなさんのコメントとか読んでいると、自分とは受け止め方がずいぶん違うなあ、と。
一度いろいろな方の感想を読んでまわってから、考え直してみたいな、と思っております。

ディックさん☆こんばんは
それぞれの人生観によって受け止め方が違ってきますよね。
こういうことを真剣に考えること、それが大事なのだと思います。

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