『ある秘密』 フィリップ・グランベール
父さんと母さんは何か隠してる・・・・・・。
この物語の主人公は、病弱な少年です。運動用品店を経営している両親はどちらも運動能力にたけており、ひ弱な自分は愛されてないのではという恐れにも似た気持ちを彼は持っていたのです。
それを助けてくれたのが、彼の想像の世界で作り上げた兄の存在でした。力強い兄はいつも、自分を助けたり叱咤したりしてくれていたのです。
両親はひとりっ子の自分を大事にしてくれているけれど、時々不思議なものを感じるのです。両親が自分に対して何か隠していることがあるような気がするのです。
この物語は著者の自伝的なもので、ご両親が亡くなって20年後に書かなければと思い立ったのだそうです。確かにそれだけの時間が必要だったのだろうなと思える、深刻な秘密がそこにありました。
朗読者は心ならずもナチス・ドイツの側に立ってしまった人の悲劇でしたが、こちらはフランスにまで及んだホロコーストの犠牲となった人たちと、その家族の物語でした。
辛いけれど忘れてはいけない歴史、二度と繰り返してはいけない愚かな人間の歴史を、こうやって後世に残すことは重要なことです。そして、少しでも多くの人に知ってもらい、過ちを繰り返さないようにすること、それが今を生きるわたしたちの使命だと思うのです。
トラキチさんと四季さんの影響でハマりつつあるクレストブックスですが、今回もとても素晴らしかったです。次は何を読もうかなぁ?
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Rokoさん、こんにちは~。
着々と読んでらっしゃいますね。^^
クレストブックスには、重い話も結構ありますけど
それだけに伝わってくるものがありますね。
簡潔な文章で書かれると、余計ずしんと響いてくる気がします。
「ソーネチカ」も読まれたんですよね。
私もこれ図書館で借りてきたところなんです。
読んだらまたお伺いしますね!
投稿: 四季 | 2009年3月16日 (月) 08:25
四季さん☆こんばんは
淡々とした文章だからこそ伝わるものってありますね!
それにしてもクレストブックスはいいですね(*^^)v
じゃんじゃん読みますよ~!
こちらからもまたお伺いします。m(_ _)m
投稿: Roko(四季さんへ) | 2009年3月16日 (月) 21:27
Rokoさん、こんにちは♪
この作品薄い本ですが内容濃いですよね。
『朗読者』をフランス人が読み、本作をドイツ人が読む。
平和な時代になりました。
でも二度と繰り返してはなりません。
それは作者の願いであると思います。
高校生が選ぶゴンクール賞作品らしいですが、日本の高校生たちにも読んでほしいですね。
新潮クレスト・ブックス本当にハマります(笑)
投稿: トラキチ | 2009年4月20日 (月) 17:20
トラキチさん☆こんばんは
日本の高校生にも読んで欲しいというのには同感ですね。
辛いことも、悪いことも、知っておくべきことはすべて後世にきちんと伝えないとね。
人間はすぐに忘れてしまうから。
投稿: Roko(トラキチさんへ) | 2009年4月20日 (月) 23:32