『PLUTO 4』 浦沢直樹
ロボットという言葉の語源はチェコ語のロボタ「労働」という言葉だと言われている。
人間の代わりに働くもの、それがロボットの原型ですが、この物語の時代には人間と見た目だけでは区別がつかないロボットが生まれています。彼らは危険な仕事などを担って人間社会を助けているのですが、ロボットにそれ以外の、あるいはそれ以上の力を与えようと考えている人たちがいたのです。
鉄腕アトムのファンであるわたしは、もちろん手塚治虫の「地上最大のロボット」は子供の頃から何度も読んでいます。そこで描かれていた世界を更に拡大したこの物語は、わたしにとっては重く、息苦しい世界なのですが、決して目を離すことができない物語なのです。
4冊目にしてやっと登場した天馬博士(表紙の人です)は天才科学者なのだけれど、やはり訳の分からない人ですね。
原作では事故で死んだ子供(トビオ)の代わりにアトムを作ってはみたけれど、ちっとも大きくならない彼に業を煮やしてサーカスへ売ってしまったのですが。この展開は映画「A.I.」でそのまま使っていましたね。子供として作られたロボットは親のことを愛しているのに、ロボットであるというだけでわが子を愛せない親、思い出しただけで悲しくなってきたなぁ。 (>_<)
お茶の水博士という優しい心を持った人と、優秀だけど心の冷たい天馬博士。この2人がどのように活躍していくのでしょうか。そして、悪夢にうなされるゲジヒトはどこまで人間に近づいていくのでしょうか?
1011冊目(今年46冊目)
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