『芸のためなら亭主も泣かす』 中村うさぎ
やってみなけりゃ気が済まないってところが、うさぎさんの素晴らしさですね!興味を持つと何でもやっちゃって、それを小説やエッセイのネタにしています。
ものすごく正直というか、普通そんなことまで書かないだろうってところまで、うさぎさんは書いてしまんですよね。そのために誤解を受けたり、仕事を断られたりするんだけど、そんなことに負けない強さが彼女にはあるんです。
たとえば、この世には、金で買えない幸福もある。そして私たちは、ついついそれこそが真の幸福だと思い込んでしまいがちだけど、金で買える幸福だって捨てたもんじゃないのよ。
お金で買えないものが尊いとみんな言うけれど、実際には「自分にご褒美」とか「ちょっと贅沢」なんていうお金の使い買い方もいいものですよね。何のために働いているのか?ということを突き詰めていくと、お金で買える幸福を満たすためって言えるのかもしれません。
そして、それをはっきりと言葉にすることができるうさぎさんは偉い!
自分と世界の関係がうまくいっていないと感じた時、女は自分を変えようとし、男は世界を変えようとする。
ううむ、そうだったのか!だから女は化粧やダイエットや美容整形という行動を好み、男は趣味の世界に没入したり、バーチャルな空間に惹かれていくのかぁ~。
それがエスカレートすると、自分を変えることに挫折した女は鬱になり、世界を変えることができなかった男はひきこもるってこと?
うさぎさんの本はバカバカしいことが満載なんだけど、その隙間にウーンとうなってしまうようなことが潜んでいて、この人って自分の凄さに気付いているのかしらん?とご本人に聞いてみたくなっちゃいます。
1013冊目(今年48冊目)
« 『赤いクリップで家を手に入れた男』 カイル・マクドナルド | トップページ | 藤まつり@亀戸天神社 »
「日本の作家 な行」カテゴリの記事
- 『運命を変える50の小さな習慣』 中谷彰宏 25-64-3460(2025.03.09)
- 『二十四五』 乗代雄介 25-12-3408(2025.01.14)
- 『Buying Some Gloves(手袋を買いに)』 新美南吉 マイケル・ブレーズ 訳 24-355-3381(2024.12.15)
- 『朝読みのライスおばさん』 長江優子 みずうちさとみ 24-336-3362(2024.11.26)
- 『小さな出版社のつづけ方』 永江朗 24-284-3310(2024.10.05)
コメント