『地図男』 真藤順丈
ストーリーとしては良く分からなかったけれど、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な男というキャラクターには魅力を感じてしまいました。地図には付せんや様々な紙が挟み込まれ、そこにはその土地にまつわる様々な話がびっしりと書き込まれている。という設定はとってもいいなぁ!
23区の区章をめぐる戦いというストーリーは、実際にあったら面白そうだなぁと思いながら読んでいました。花札だのカルタだの普通っぽい種目なのに、戦闘的な雰囲気をみなぎらせた登場人物のアクの強さに、下町に生息するオヤジはこうでなくちゃっと膝を打ってしまいました。
地図男っていう設定の割に、土地のにおいのようなものを感じなかったのが残念だなぁと思います。どの話も割とサラっと終わってしまって、もう少し掘り下げてもよかったのかなぁ?
できれば地図男本人だけの話を読んでみたいと思うのですが、どうなんでしょうね。
1034冊目(今年69冊目)
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