映画 「愛を読むひと」
原作の朗読者も素晴らしかったけれど、映画も素敵でした!
市電の車掌をしているハンナと出会ったマイケル(原作はドイツ語なのでミヒャエル)の人生は、そこで決まってしまったのかもしれません。その後どんな人に出会ったとしても、これ以上の恋はできないはずですもの。
彼女の秘密を明らかにして彼女の罪を軽くしてもらうのか、それとも彼女の誇りを守るのか、マイケルは深く悩みました。そして、今の自分が彼女にしてあげられることは何なのかと考えたときに、彼は朗読を選んだのです。
マイケルの愛を受け取り、生きがいを見つけることができたハンナは、幸せだったのでしょうね。だからこそ必死に勉強できたのでしょう。でも、それ以上を望んではいけないと考えたから、ああいう結末になったのだと思うと、切ないです。
与えられた仕事を真面目にこなしただけなのに、それが罪だと訴えられたハンナ。教育を受けられなかったのは自分のせいではないのに、それを明かすことを恥ずかしいと思ってしまうハンナ。
あんな時代に生まれなければ、学校にさえ行っていれば、あんな悲劇は起きなかったのです。独裁政治や戦争の恐ろしさや愚かさを、こういう形で考えるって大事だと思います。
美しくて、哀しいこの映画を、是非大勢の方に見て欲しいと思います。
原作の感想は → こちら
製作年 2008年
製作国 アメリカ ドイツ
原題 The Reader
時間 124分
公式サイト http://www.20thboys.com/
監督 スティーヴン・ダルドリー
@TOHOシネマズ 錦糸町
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愛を読むひと (2008)【監督】スティーヴン・ダルドリー【出演】ケイト・ウィンスレット / レイフ・ファインズ / デヴィッド・クロス / アレクサンドラ・マリア・ララ / ブルーノ・ガンツ [90点]「原作に負けぬほど“心を奪われる作品”に仕上がっている。普段本を読まない人には是非ご覧になって欲しい。」2008年アメリカ・ドイツ作品。
“新潮文庫の100冊”に毎年セレクトされているベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説『郎読者』を映像化。
原作の感想はこちら
主演のケイト・ウィンスレッ... [続きを読む]
» 映画「愛を読むひと」(2008年、米・独) [富久亭日乗]
★★★☆☆ ドイツの小説家Bernhard Schlinkの『朗読者』を Stephen David Daldry 監督が映画化。 第81回アカデミー賞で、Kate Elizabeth Winsletが 主演女優賞を受賞。 原題は「The Reader」。 1958年、ドイツ。 病気の看病をしてくれたことから、 36歳の女性Hanna Schmitz (Kate Winslet )と 恋に落ちた15歳のMichael Berg (David Kross )。 ベッドでHa... [続きを読む]
Rokoさん、こんにちは♪
TBありがとうございます。
この作品は原作読んでなくてもかなりの感動ものだと思います。
DVD出たら必ずすぐに借りて観たいですね。
後半のテープに吹き込むシーンがとっても印象的でした。
「リトル・ダンサー」の監督が撮った作品らしく、ラストシーンは忘れられないこととなりました。
戦争のもたらす恐ろしさがきっと観られた方に伝わったと思います。
ちょっと休んでたのですが、新潮クレスト・ブックスを中心に今月からまた翻訳物を積極的に読んで行こうと思ってます。これからもよろしくお願いしますね。
投稿: トラキチ | 2009年7月 3日 (金) 16:25
トラキチさん☆すばらしかったですね
この映画を見た後、会う人会う人にこの映画良かったよ~!と紹介しまくっています。(#^.^#)
あの教会は、サイクリング旅行で行った場所でしたよね。
思い出の地に眠るハンナはきっと幸せだと信じたいです。
わたしも翻訳物を読むのをさぼりがちなので、この夏は沢山読もうと思っています。(^_^)/
投稿: Roko(トラキチさんへ) | 2009年7月 3日 (金) 21:53