映画 「レスラー」
ミッキー・ロークが帰ってきた!
主人公のランディは、昔はマジソン・スクエア・ガーデンのメイン・イベントを務めるようなレスラーだったのだけど、今は小さなローカル団体でかろうじて試合をしている状態なのです。
その何とも痛々しくて、とんでもない奴なところが、ミッキー自身の人生とも重なって見えていました。
ミッキー・ロークは昔から役に合わせて身体を作るのは得意だったけど、このレスラーの身体は本当に凄いなぁと思いました。映画に登場する他のレスラーはすべて本物のレスラーなんだけど、その中に混ざって何の違和感もないとは!どういうトレーニングをしたんだろう?
わたしはプロレスも好きなのですが、それでもビックリしちゃうようなシーンが結構ありました。特にハードコアの試合はいかにも痛そうでしたねぇ。ランディの必殺技「ラム・ジャム」(トップロープからのダイビング)の飛び方はさぞかし練習したんだろうなぁ、とても飛形がキレイで感心しちゃいました。
プロレスラーの入場時には必ずテーマ曲があるんですが、最後にランディが入場する時の曲が "Sweet Child of Mine" でした。それまでの思いが一気にこみ上げて来て、泣きそうになっちゃいました。エンドロールに "Special Thanks for AXL Rose" というのがあったので、これは正式にAXLに許可を得たということなのでしょうね。
エンドロールで流れる ”The Wrestler" を書いたのは ブルース・スプリングスティーンです。映画の予算が少ないのでお金を払えないのだけれど、主題歌を書いてくれないかとミッキー・ロークが頼んで書いてもらったのだそうです。ゴールデングローブ賞では主題歌賞を取りましたが、アカデミー賞ではエンドロールでしか流れていないので主題歌とは認められなかったのだとか、不思議だなぁ。
プロレスって、スポーツであり、特殊技能が必要なエンターテイメントなんですよね。ある一定のお約束があり、ストーリーもあったりするけれど、でも命をかけて戦っていることに変わりはありません。ケガも多いし、薬の問題もあるし、ギリギリのところで折り合いを付けている人が多いはずです。
身体を酷使し過ぎていろんな問題を抱えている方は多いけど、先日の試合中に亡くなった三沢さんのニュースは衝撃でした。一歩間違えたらという思いを抱えてレスラーたちは戦っているのでしょうね。
とんでもないバカヤローだけど、不器用に、必死に生きているランディはカッコいいレスラーでした。無謀だけど、勝手だけど、魅力的な男でした!主演はミッキーでなければイヤだと映画会社と喧嘩してまで、こんなに素敵な映画を作ってくれたダーレン・アロノフスキー監督に感謝!
製作年 2008年
製作国 アメリカ
原題 THE WRESTLER
公式サイト http://www.wrestler.jp
監督 ダーレン・アロノフスキー
@TOHOシネマズ シャンテ
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