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『f植物園の巣穴』 梨木果歩

f植物園の巣穴

 

f植物園の巣穴
posted with amazlet at 09.09.10

 

梨木 香歩
朝日新聞出版

 

 

 幼いころ、住込みのねえやだった千代。若くして亡くなった妻の千代。ふと気になって入ってみた洋食屋の千代。どうして千代という名の女ばかり自分の周りに集まってくるのか?

 歯医者へ行ってみれば、医者の手伝いをしている前世が犬だったという「家内」は、時々犬になっている。大家さんも時々鶏になっている。いつもの道を歩いているつもりなのに、違う道に出てしまったり。

 不思議なことが次々と起こり、最初は面喰っていた主人公が、段々と「こんなものだ」「これは夢なのだ」と思うようになっていくのです。

 ずっと昔のことを何かの拍子に思い出すことがあります。そのきっかけは何かの匂いだったり、音だったりするのだけど、それが自分の頭の中の何かにピタッとはまった時、突然思い出すのです。

 それは台風の前の生暖かい風だったり、ごはんが炊ける匂いだったり、鈴虫の声だったり、洗濯屋さんがアイロンがけをする蒸気だったり。

 すぅっと自分が過去のある時点に戻ってしまいます。そして、見つけるんです。自分を作り上げたものが何だったのかということを。

1066冊目(今年101冊目)

 

 

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日本の作家 な行」カテゴリの記事

コメント

こちらの感想を読んでその気になってきました。
しばらく梨木さんから離れていましたが、読んでみようと思います。

ディックさん☆こんばんは
わたしも梨木さんの作品は久しぶりだったのですが、やっぱり惹き込まれてしまいました。
こういう気持にさせてくれる作家さんは、やっぱり大事ですねぇ。

わあ、ごめんなさい。
そうか、こんなコメントが残っていましたか。
7ヶ月間かけて、やっとご紹介いただいた本を読むことができた、ということのようです。

久しぶりに梨木さんの世界を堪能いたしました。

ディックさん☆こんばんは
時代を感じるような文体も、この作品のイメージを広げていたような気がします。
梨木さんは、やっぱりいいですねぇ!

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f植物園の巣穴  妻が亡くなり三回忌の翌日、転任の話があって、私はf植物園の技官になった。水生植物園が担当だ。河川工事の関係か、池のように残され湿地化した一画が放置されていたのを、自分なりになんとか再生したい、と情熱を注いでいる。  歯が痛みだし、f郷歯科...... [続きを読む]

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