『カウハウス』 小路 幸也
畔木クンは初対面の人にも「クロちゃん」と呼ばれてしまうような人です。きっと優しい気持ちがにじみ出ている人なんでしょうね。困っている人がいると絶対に放っておけないし、マイッタなぁと思いながらも頼まれたら断れないし。
小路さんの描く世界には悪い人が出て来ません。それって、いつでも人間の良いところを見ようとする気持ちの表れなのかもしれません。
誰にだって黒い部分ってのが必ずあります。どんな人にだって、そんなの面倒臭いよなぁとか、あの人嫌いだなぁとかっていう思いは必ずあります。そういうことばっかり考えている人が多いけど、それだけじゃつまらないじゃないですか。
どうせ付き合うなら、相手の良いところを見ようとする方がずっと良いに決まってるけど、なかできないんですよね。
この物語の中にも、悪気はないんだけど子供の才能に全く気付かない両親とか、家族のことをないがしろにしている人が登場します。それを何とかしてあげたいとクロちゃんは考えるんです。
そういう優しい気持ちをみんなが持てたら、世の中はずっと明るくなっていくんですよね!人間は決して1人で生きていけないんだから、お互いの良いところを見つけていこうという気持ちを大事にしようと著者の小路さんは考えているんでしょうね。
1068冊目(今年103冊目)
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このフレーズにシビれた。
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[巷の評判]凪の海では,
「今回のこの本はほんとに読後感がすがすがしい。人物設定がみんな私好みな...... [続きを読む]
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集まってくる人、みんなが少しずつワケありってとこがポイントでもありましたね。
それが少しずつわかってくると、どんどん打ち解けていける。
現実の世界も一緒ですね。
ハッピーエンドはやっぱり楽しいです!
投稿: じゅずじ | 2010年4月13日 (火) 07:43
じゅずじさん☆おはようございます
話をしていくうちに「ああ、そういう人だったんだ」と気付くことってよくあります。
心を開いていくと、色んな出会いがあるんですよね。
そんな小さな幸せの積み重ねで人間は生きていっているような気がします。
投稿: Roko(じゅずじさんへ) | 2010年4月13日 (火) 08:11