映画「キャデラック・レコード」
シカゴのサウスサイドに生まれたチェスレコードは、それまでにあったものとは全く違うレコード会社でした。
それまでのヒットチャートは白人による白人のためのものでした。白人が聞くラジオ放送に黒人の音楽を流すなど、とても考えられないことだったのです。
チェス氏は、そういう考え方を打ち破った人です。
素晴らしい音楽があるんだから、レコードをたくさん売って、お金を稼いでキャデラックを買おうぜ!と黒人ミュージシャンを集めたのです。
キャデラックはアメリカの象徴、そして豊かさの象徴だったのです。
マディー・ウォータース、リトル・ウォルター、チャック・ベリー、ハウリン・ウルフ、エタ・ジェイムス、チェス・レコードには素晴らしいミュージシャンが揃っていました。でも、悲しいかなお金の管理とか、契約に関してはまるで分かってない人ばかり。
それどころか、学校へもまともに行ってないから字を読めない人も、計算ができない人もいたんです。チェス社長は、そんな彼らだからお金の管理は会社でやると言い、ミュージシャン側は騙された、搾取だと言い、支払いに関しての裁判も起きていました。
ヒット曲を生み出し、自分のお金で買ったキャデラックに乗っているのに、警官に難癖をつけられてボコボコに殴られたり、クスリやお酒でボロボロになってしまったり、成功した後も色々な問題が起きていました。(この辺りは今も変わりませんけど)
チェス・レコードは、その後の音楽界に大きな影響を与えました。アメリカよりもイギリスのミュージシャンの方がより影響を受けている辺りに、不思議なものを感じます。この映画でもちょっと出てきますが、ストーンズはチェスでレコーディングしたんですよね!
その後のロックやソウルミュージックが生まれたのも、黒人音楽が世界に広がったのも、こういう人たちの努力があったからこそなのです。賛否両論があるチェス社長ですが、重要な役目を担った人だったのは確かです。
こんなにいい映画なのに、どうして上映館が少ないんだろう?
製作年 2008年
製作国 アメリカ
原題 Cadillac Records
時間 108分
公式サイト http://www.sonypictures.jp/movies/cadillacrecords/
監督 脚本 ダーネル・マーティン
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見ましたね。私も先月見ました。
ビヨンセ、うまいなぁ・・と感心したり。
リトル・ウォルター、かわいいなぁ・・と思ったり。
いい映画ですよねぇ。
映画館の観客、年齢層が高かったです。
そして、いい映画だけれど日本ではマイナーな音楽なのかな、とも思います。
投稿: ゆみりんこ | 2009年10月 4日 (日) 00:39
ゆみりんこさん☆おはようございます
ビヨンセが出てるんだし、頑張ればヒットさせられる映画なのにね、残念だわ~
投稿: Roko(ゆみりんこさんへ) | 2009年10月 4日 (日) 10:21