『日本人の知らない日本語』 海野凪子
凪子先生に生徒たちは色んな質問をしてきます。もちろんみんなまじめな質問なんですけど、「そういうこと聞くの?」って言いたくなるような難問の数々に先生が必死に答えるところが、とっても面白かったです。
文法上の問題や、敬語の使い方など、言語学的な問題もさることながら、ネイティブの日本人にとってはどうってことなく使ってしまっている言葉づかいについての疑問は、けっこう目から鱗だったり、「わたしも知らなかった!」なことばかりでした。
日本の文化に興味を持って、日本にやってきた生徒さん達がとっても個性的で、これもまた面白過ぎです!
任侠映画好きな人とか、歴史好きな人、アニメ好きな人、それぞれにこだわりがあって、独自に勉強してきた日本語は間違ってはいないけど、やっぱり変です~!
各章の終わりにある、生徒さん達が国に持って帰りたいものというページが、これまた興味深いんです。国の家族のために靴を買って帰りたいという人。100円ショップでお土産を買いまくるぞ~という人。日本のごはんが美味しくてハマっているという人。色んな人がいます。
外国からやってきた人たちが日本語を覚えるとき、もちろん言葉自体も難しいでしょうが、それよりも難しいのが慣習とか考え方なのだということが、この本で良く分かりました。
たとえば、テストで正解だったら○を付けるというのは日本式だったんですね。海外では✓(チェック)を付ける方が正解で、間違っている所に○を付ける方が多いのだそうです。(なるほどねぇ)
色々とクセはあるけれど、生徒の皆さんの真面目さは見習いたいですねぇ。「1000円からお預かりします。」なんて平気で言ってる日本人の方が、よっぽど勉強不足です。こんなんで、いいのか日本人?
1105冊目(今年140冊目)☆☆☆☆☆
トラックバック先
読書発電所Annex
心に残る本
日々の書付
« 『ぼくを探しに』 シェル・シルヴァスタイン | トップページ | COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2009年12月号 »
「ことば・コミュニケーション」カテゴリの記事
- 『英語多読』 繁村一義、酒井邦秀 24-173(2024.06.17)
- 『句点。に気をつけろ』 尹雄大 24-100(2024.04.05)
- 『言語の本質』 今井むつみ 秋田喜美 24-47(2024.02.17)
- 『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』 三宅香帆 361(2023.12.28)
- 『一瞬で信じ込ませる話術 コールドリーディング』(再読) 石井裕之 209(2023.07.28)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『日本人の知らない日本語』 海野凪子:
» 「日本人の知らない日本語」 [心に残る本]
「日本人の知らない日本語」、買ってしまいました。
本屋さんで立ち読みできそうなぐらいの分量なのですが、はじめの方を読んでいて、何度か... [続きを読む]
» 「日本人の知らない日本語」 [日々の書付]
大人気の「日本人の知らない日本語」を読みました。
日本語教師凪子せんせいが外国人の生徒たちの奇想天外な質問に遭遇する日本語エッセイマンガなのですが、われわれ日本人も知らないような言葉の由来や敬語の使い方なども紹介されていて勉強になります。
たとえば「がんばってください」は目上の人につかっちゃいけないのだそうで、その場合は「お疲れのでませんように」というのが望ましいのだそうで。
…そんな日本語、この国に何十年も住んでいるけど一回も聞いたことないぞ(^^;)そのほか、任侠映画ファンのマダム・マリー... [続きを読む]
» 日本人の知らない日本語 / 蛇蔵海野凪子 [読書発電所Annex]
昨年本屋で見かけ、「これは面白そう、けれど買う程ではないな」と思って図書館で貸出... [続きを読む]
« 『ぼくを探しに』 シェル・シルヴァスタイン | トップページ | COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2009年12月号 »
おっ!?
私もコレ読みたいと思ってるんですよね。
でも買う程じゃないと思って図書館に予約して早3ヶ月...現在予約順位は197位、20冊あるみたいだけどいつ来る事やら...
Rokoさんの記事読んでますます待ち遠しい~。
買っちゃおうかな...
投稿: yomikaki | 2009年11月13日 (金) 21:49
こんばんは~。
これ、面白かったですよね!
立ち読みしていて、吹き出しそうになったので、買って帰ってきたのでした。
投稿: 牛くんの母 | 2009年11月13日 (金) 22:29
yomikakiさん☆
やっぱり予約スゴイですか、わたしもようやく借りられた所なんですよ。
外国語を学習するって、勘違いの連続なんだって所がすっごく面白かったです。
牛くんの母さん☆
間違いではないけど、それは使わないなぁとか、何でそんなこと知ってるの?なことが多かったですねぇ。
真面目な生徒さん達のマニアックな質問攻めに、必死に答える凪子先生は偉いなぁって思っちゃいました。
投稿: Roko | 2009年11月14日 (土) 09:17
>たとえば、テストで正解だったら○を付けるというのは日本式だったんですね。海外では✓(チェック)を付ける方が正解で、間違っている所に○を付ける方が多いのだそうです。
なかなか気がつきませんね。
また、外国人用の日本文化の説明書(英語と日本語併記)を読んでいると、「ああ、そうだったんだ」と納得することがあります。日本人のぼくが知らなかったことが多い。
ある文化の中で育つということは、それ自体で視野を限定され、一定のルートの考え方に馴らされるのですね。
投稿: ディック | 2009年11月24日 (火) 09:42
ディックさん☆こんばんは
カナダ男性はよっぽどのことがなければ傘はささないし。
スイス女性は脇毛をそのままにしている人が多いし。
イギリスやインドではクリケットの試合の実況中継は終わるまで何日でも放送してるし。
常識って国や地域によって全く違うんですよね。
日本が誇れるのは電車の時間の正確さくらいですかね?
投稿: Roko(ディックさんへ) | 2009年11月24日 (火) 21:39
この本には知らなかった日本語の使い方や敬語のしくみがいろいろと出てきて勉強になりました。目上の人へのねぎらいの言葉「お疲れのでませんように」なんて、生まれて何十年も経つけれど初めて知った言葉でした。
そういえば国語の時間に敬語の活用もやったような気もするけれども、この本読むまで完全に忘れていました…
投稿: 日月 | 2010年3月18日 (木) 22:47
日月さん☆おはようございます
外国の方から質問されてみると、そういうのって真剣に考えたことないなぁって事が沢山ありますよね。
普段何も考えずに使っている日本語ですが、折につけ勉強しないといかんなぁって思いました。
投稿: Roko(日月さんへ) | 2010年3月19日 (金) 08:26
こんにちは。
ようやく図書館から借りれて読みました。
前回のコメントを読むと、借りるのに8ヶ月かかっているのか...大人気
確かに面白いかったです、この本。
日本語を教えるということは、単に語学教師というわけではなく、文化を教えるということなんだなとつくづく実感しました。
続編はどうしようかな?
投稿: yomikaki | 2010年4月22日 (木) 08:19
yomikakiさん☆随分待ちましたねぇ!
それにしても、生徒のみなさんのマニアックなこと!
先生は、授業内容以外の仕込みが大変そうでした (^_^;)
投稿: Roko(yomikakiさんへ) | 2010年4月22日 (木) 22:55