NHK 世界のドキュメンタリー ソウル・ディープ 第3回 モータウン・サウンド
デトロイトに住むベリー・ゴーディは昼間は自動車工場で働き、夜は作曲をする暮らしをしていました。
彼が作った作品がレコード化されてヒットし、これで有名になれる!と喜んだのもつかの間、自分の手に入ったお金はわずかなものでした。
そこで彼は考えたのです。金持ちになるためには、自分で会社を作らないと!
モータウンレコードは一世を風靡するレコード会社になりました。その中でもザ・スプリームズは合計12曲の全米No.1ヒットを出しています。
モータウンは黒人による黒人のためのレコード会社ではありましたが、曲のつくり方は白人よりのキャッチーなものを得意にしていました。それは、音楽の人種間の壁を破ることにってより売上を伸ばすというゴーディ社長の考え方を反映したものでした。
しかしそれは、公民権運動が盛んになり、黒人の置かれた立場や社会へのメッセージを伝えようとする音楽が増えていたその時代には逆行するような音楽だったのです。
番組内では、その代表曲として、カーティス・メイフィールドの "People Get Ready" が挙げられていました。この曲はワシントン大行進にインスパイアされて書かれたのだと言われています。
1963年8月28日に、公民権確立を目指して計画されたワシントン大行進が行われ、人種を問わない20万人を超える人間がこのデモに参加した。デモ行進の終点となったリンカーン記念公園で、運動の提唱者マーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説「私には夢がある(I Have a Dream)」が行われている。
モータウンでも社会性のある音楽をやりたい、曲の権利を会社ではなく作者自身の権利としたいという気持ちを持ったミュージシャンたちは、次第にモータウンから離れていったのです。
BBC 2003年制作 原題:SOUL DEEP THE SOUND OF YOUNG AMERICA
番組のHPは → こちら
« 『インドのことはインド人に聞け!』 中島岳志 | トップページ | NHK 世界のドキュメンタリー ソウル・ディープ 第4回 サザン・ソウル »
「音楽」カテゴリの記事
- 『ビートルズ』 北中正和 24-224-3250(2024.08.07)
- 『生活はクラシック音楽でできている』 渋谷ゆう子 24-72(2024.03.09)
- 『ロックの正体 歌と殺戮のサピエンス全史』 樫原辰郎 227(2023.08.15)
- 『ピアニストと言う蛮族がいる』 中村紘子(2022.06.18)
- 『才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?』 ジーン・シモンズ(2021.06.26)
「海外の文化」カテゴリの記事
- 『謎のアジア納豆』 高野秀行 24-126(2024.05.01)
- 『もうひとつのモンテレッジォの物語』 内田洋子 182(2023.07.01)
- 『ロシアのなかのソ連』 馬場朝子 126(2023.05.06)
- 『「その他の外国文学」の翻訳者』 白水社編集部編 94(2023.04.05)
コメント
« 『インドのことはインド人に聞け!』 中島岳志 | トップページ | NHK 世界のドキュメンタリー ソウル・ディープ 第4回 サザン・ソウル »
ちゃんと予約しました。でもこの回はまだ見ていません(゚▽゚*)
今日はリアルタイムで見ました。「サザンソウル」でした。Staxの話。
Otis Redding・・小学生の私でも彼の「Dock Of The Bay」は伝わりましたよ。
投稿: ゆみりんこ | 2010年1月 7日 (木) 22:19
ゆみりんこさん☆こんばんは
Dock of the bay は、いつ聞いても凄いなぁって思っちゃいます。
公民権運動の中で、音楽も大事な役割を持っていたということを、このシリーズを見ながら改めて感じています。
投稿: Roko(ゆみりんこさんへ) | 2010年1月 7日 (木) 22:46