NHK 世界のドキュメンタリー 第5回 ファンク革命
彼は音楽だけでなく、精神的にも黒人社会のリーダーだったのですね。自分たちの置かれた境遇に負けることなく、誇りを持って生きようと呼びかけ続けてきたからこそ、あれだけの人気を持続させているのだということがよく分かりました。
そのJBのバンドでデビューしたブーツィー・コリンズは、JBいわく「育ててやった」ベースプレイヤーなのだけれど、目立ち過ぎてJBに追い出された(らしい)人です。彼がその後加わったのが、ジョージ・クリントンのバンドです。奇抜な衣装と歌が特徴のPファンクが生まれました。
Pファンクは、現実の苦しさや貧しさを嘆くのではなく、楽しさや夢を表現しようという音楽です。1990年代以降もPファンクの曲はサンプリングされることも多く、熱狂的なファンも沢山いるんです。そして、現在のヒップホップに続く流れはここから生まれているのでしょうね。
スティービー・ワンダーはモータウンの所属アーティストです。それまでは発表する曲について様々な制約がありましたが、スティービーはどのような内容の曲を作っても構わないという条件でモータウンと契約更新をしました。そして作られたアルバムが、Talking Book 、Innervisions です。
シンセサイザーの前で Living for the City をレコーディングしているスティービーの映像は本当に素晴らしかったです。黒人の現実をこんなにもストレートに描いた曲だからこそ、多くの支持を得たのです。
それまでのモータウンではあり得なかった政治的な要素を含むこれらのアルバムは、スティービー流のファンクに満ちていたのです。
アフリカ・バンバータも登場してましたね。彼が「アフロ・アメリカンが、文化(音楽、ファッション、アート)を取り入れ、新しいスタイルを生み出すこと」をヒップホップ(hipもhopも弾ける、躍動するという意味)と名付けたのです。
BBC 2003年制作 原題:SOUL DEEP AIN'T IT FUNKY
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