『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』 カズオ・イシグロ
老歌手
ベネチアのサンマルコ広場で働くギタリストに、アメリカのベテラン大物シンガーが奇妙なリクエストをしたのです。
降っても晴れても
レイはずっと海外で働いていた、イギリスへ帰ってきて友達夫婦の家を訪ねたのだが、どうも様子がおかしい。
モールバンヒルズ
ぼくはミュージシャン志望なのだが、なかなかグループに加わることができない。しばらく都会を離れてみようかと思い、田舎に住んでいる姉の所を訪ねてみることにした。
夜想曲
スティーブは結構腕のいいサックス奏者なのだけど、もう一つパッとしない。妻のヘレンに「整形手術してみたら?」と提案されてしまった。
チェリスト
ティボールは、初対面のミス・マコーミックからチェロの演奏の指導をしたいと言われたんです。
著者初の短篇集は、いずれも音楽に関わる物語です。有名になれなくても音楽で生きていければ幸せだと考えている人。絶対に有名になりたいんだと思っている人。生活のために好きではない曲を演奏している人。新しい音楽を作り出そうとしている人。
音楽の魔力に取りつかれると、そこから抜け出すことはできません。他のことをしていても、眠っている時でさえ、音楽の虜になってしまうのです。興味のない人から見ればバカバカしいことなんだけど、それなしでは生きていけなくなってしまうのです。
「老歌手」のように、夕暮れにサンマルコ広場で聞くには、どんな曲がふさわしいのでしょう?余り大げさでなく、有名な曲でもなく、しみじみと夕陽を眺められるような曲だといいのですが。生ギターの優しい調べとか、バンドネオンのちょっと悲しげな感じとかかしら?
登場する人たちの真面目さとはうらはらに、何だかクスクス笑いたくなってしまう感じって、これこそ人生なのだ!ってことなのかもしれません。
1129冊目(今年7冊目)☆☆☆☆☆
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Rokoさん、こんにちは。
この作品自体が、同じ主題を繰り返し変奏していく
1つの大きな曲のような感じですよね。
夕暮れにサンマルコ広場、チェロの独奏なんてのも
いいのではないかしらと思います~。^^
投稿: 四季 | 2010年1月23日 (土) 07:31
四季さん☆おはようございます
チェロの独奏、いいですねぇ~!
サンマルコ広場でピンクフロイドの曲を演奏しているDVDを持ってるんですけど、これが良い感じなんですよ。
投稿: Roko(四季さんへ) | 2010年1月23日 (土) 09:07