『したくないことはしない』 津野海太郎
JJおじさんは、本当に不思議な人です。どうしてあんなにマニアックな読書をする人になったのか?どうしてそこまでジャズにのめり込んだのか?山のようにあった本やレコードは何処へ行ったのか?
JJおじさんのファンとしては、おじさんが何故ああいう人になったのかにとても興味があるんです。この本は、その謎のいくつか解いてくれました。
人形町の木綿問屋の息子として生まれたのですが、関東大震災をきっかけに生家は没落してしまいます。甚一少年はそんなことはお構いなしに勉強ばっかりしていました。でも誰かに強要されたわけではなく、勉強することにハマっていたらしいんです。
やがて甚一少年は日本語の本よりも、洋書を読むことに夢中になっていきます。英語中心でしたが、時にはフランス語やロシア語の本も読んでいたらしいです。
第二次世界大戦中に、敵国語として禁止されていた英語の本をずっと読み続けていたというのには驚くばかりです。横浜の古本屋には、戦争になってあわてて国外脱出した外人が売っていった本が沢山あったんだとか。
戦争が終わったとたんに英語が必要な世の中になり、東宝の宣伝部や調査部などでJJおじさんは働くことになります。でも、なんだかんだと言って本ばかり読んでいたらしいです。結構運のいい人生を歩んでいたのかも?なんて思います。
JJおじさんが集めた本とジャズのLPはもの凄い量だったそうです。一説によると本は4万冊、LPが4000枚だそうですが、奥様がそれに全く興味を持っていなかったため、バラバラにされては困ると考えた周りの人たちが尽力されたそうです。
結果、LPはすべてタモリが買い取り、本はしかるべき古本店へ引き取ってもらったのだとか。その中の1冊を手にした人の話も、この本の中に登場します。
我が憧れのJJおじさんのカッコいいところは、他の誰かが作った価値観には全く興味がなかったということなんだと思います。値段が高いとか、有名だとかじゃなく、自分がそれを好きかどうか?それだけが基準だったんですよね。
そういうカッコよさを、わたしもずっと追い求めていきたいなぁ!
1128冊目(今年6冊目)☆☆☆☆☆
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