『ともしびマーケット』 朝倉かすみ
ともしびマーケットは、この町で一番大きなスーパーマーケットだから、色んな人がやって来ます。新婚の奥さん。大ビンのネスカフェを大事そうに抱えている女性。片思いの中学生。プー太郎の27歳男子。パートとして働いている独り者の中年女性。
毎朝同じ電車に乗り合わせる人、いつも同じ時間に公園で見かける人、何処に住んでいるのか?何をしている人なのか?そんなことは何も知らないけど、顔だけは知っていて、でも挨拶するほどじゃなくて、っていう人が世の中には結構いるもんです。
先日読んだ「知っているようで知らない法則のトリセツ」によれば、「人は5人を介して世界とつながる」のだそうです。知人・友人を5人辿っていけば、必ず知っている人に辿りつくってことは、世間は結構狭いってことかもしれません。
だとすると、マーケットでいつも見かけるあの人は、会社の同僚の親戚の人かもしれないし、同級生が嫁に行った先の隣の家に住んでいる先生の教え子かもしれないんですよね。
そんな風に想像すると、何だか楽しくなってきました。
ともしびマーケットにやって来た人たちは、そんな不思議なつながりに引き寄せられてきたのかもしれません。
1143冊目(今年21冊目)☆☆☆☆
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最近、世間は狭いと思っている私にはぴったりの本かもしれません。
そして、思いがけない出会いがあるっていうのも楽しくて・・。
まだまだ人生、いろいろあるなぁ・・と思っています。
投稿: ゆみりんこ | 2010年3月 5日 (金) 00:28
ゆみりんこさん☆こんばんは
確かに世間は狭いです!
思わぬ人と縁があることが分かることが、ホントにたくさんありますね。(*^^)v
投稿: Roko(ゆみりんこさんへ) | 2010年3月 5日 (金) 22:06