『PLUTO 8』 浦沢直樹
ロボットであるアトムには憎しみという感情はありませんでした。だからこそ天馬博士はアトムを憎んだのかもしれません。トビオの代わりに作ったのにアトムはやっぱりロボットでしかないということを、無垢な心しか持たないアトムを見るたびにヒシヒシと感じてしまったのでしょう。
アトムの中にゲジヒトさんの記憶が移植され、アトムは目覚めました。憎悪という感情を知った彼は今までとは違う戦いに挑もうとしました。でも、ゲジヒトさんはアトムにこう語りかけたのです。
憎しみからは何も生まれない
ゲジヒトさんのこの言葉は実に重いです。憎悪という感情があるから、争い事や、もめごとや、嫉妬や、戦争が起きるのです。それを分かっているはずなの に、憎しみを捨てられないのは何故なのでしょうか?
どうせ死ぬとわかっていても、最後まで希望を捨てないのが人間だ。アトムのようにね。
お茶の水博士のこの言葉、忘れられないです!
回想シーンに出てきたゲジヒトさんとヘレナさんが「ロビタ」を見て「生きている!」と言ったシーンでは、思わず泣いてしまいました。愛というのは見返りを求めるものではなく、自然に湧きあがってくるものなのですね。
ロビタという名前は、火の鳥の未来編に登場していたことを思い出しました。確かR2D2タイプのロボットでしたね。
わたしは6歳の時にアトムに出会いました。アトムの明るさ、強さ、優しさに憧れました。アトムの最終回を見て泣きました。そして今、アトムの心に触れて、また泣いてしまいました。しょうがないですね、アトムはわたしの初恋の人ですから。
1162冊目(今年40冊目)☆☆☆☆☆☆
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