『地団駄は島根で踏め』 わぐりたかし
普段何気なく使っている言葉の語源を考えてみると、意外な発見があります。著者のわぐりさんはそんな語源の故郷を訪ねるのが趣味であり、仕事にしている方です。
この本のタイトルにもなっている「地団駄」とは、たたら製鉄の時に炉の中に風を吹き込む「ふいご」の事なんだそうです。大きなふいごを足で踏んで駆動します。(スポーツクラブにあるステアマスターと同じような感じ)
「たたら」は、製鉄技術そのものも意味するし、ふいごのことも指しています。「たたらを踏む」と「地団駄を踏む」というのは、同じ語源なんですね。
島根県の安来で、この地団駄を実際に踏んでみることができるそうです。といっても、これはかなりの重労働、次の日は筋肉痛間違いなしみたいです。(^_^;)
ところで、「やばい」「どたんば」の語源は伝馬町の牢屋だというのにはビックリでした!ここは当時「厄場(やば)」と呼ばれていたのだそうです。だから、ここに入ったら「やばい」という訳です。意外に古い言葉だったんですねぇ。
「ごり押し」「急がば回れ」「らちがあかない」「ごたごた」「つつがなく」・・・など、語源を知ると、なるほどねぇって事がたくさんあります。
語源を求めて全国を回るって、なかなか良い趣味かもしれません。趣味がないんだよなぁって言う方、試してみてはいかがでしょうか?
1168冊目(今年46冊目)☆☆☆☆
« 『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』 クリス・アンダーソン | トップページ | 『自己プロデュース力』 島田紳助 »
「新書」カテゴリの記事
- 『安いニッポン 「価格」が示す停滞』 中藤玲(2022.06.01)
- 『2030年の東京』 河合雅司 牧野知弘(2022.04.23)
- 『「婚活」がなくなる日』 苫米地英人(2021.12.21)
- 『パンデミックの文明論』 ヤマザキマリ 中野信子(2021.11.15)
- 『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』 鴻上尚史 佐藤直樹(2021.10.31)
「ことば・コミュニケーション」カテゴリの記事
- 『世間とズレちゃうのはしょうがない』 養老孟司 伊集院光 204(2022.07.30)
- 『知れば知るほどお相撲ことば』 おすもうさん編集部(2022.07.21)
- 『音読でたのしむ思い出の童謡・唱歌 令和に伝えたい心に響く歌101』 斉藤孝(2022.07.09)
- 『うまれることば、しぬことば』 酒井順子(2022.04.21)
- 『標準語に訳しきれない方言』 日本民俗学研究会 編(2021.10.21)
« 『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』 クリス・アンダーソン | トップページ | 『自己プロデュース力』 島田紳助 »
コメント