映画 「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」
この映画の主人公ダ・ポンテは聖職者であり、詩人でした。ところが女好きで博打好きの彼は、ベネチアを追放されてしまったのです。そんな彼に、友人カサノバはウィーンへ行ってサリエリに会うように勧めたのです。
ところが、ひょんなことから新人作曲家のモーツァルトと組むことになり、オペラに興味を持っていたモーツァルトは、詩人と
して評価の高いダ・ポンテに台本を依頼し、「フィガロの結婚」が完成しました。この成功を受けて、次回作としてダ・ポンテが着手したのは、半自伝的な女たらしの物語「ド
ン・ジョヴァンニ」でした。
「ド ン・ジョヴァンニ」を作るアイデアや、リハーサル風景、ダ・ポンテの私生活とドン・ジョバンニの類似性は「やっぱりイタリア人って!」と感じるところだらけで、とても面白かったです。
以前から思っていた事なんですが、クラシックというと上品とか気品とかをイメージする人が多いのですが、決してそんなことはないと思うんです。
クラシックの作曲家が活躍していた時代、彼らは現代でいえばロックミュージシャンやラッパーのような存在であって、一般常識とはかけ離れたエキセントリックな人間だったはずです。だから、周りからは理解できないような事をさぞかししたんだろうなぁと思います。
この映画の中にもそういう所が沢山出てきました。アマデウス・モーツァルトは、いわば音楽オタクだし、ダ・ポンテは女たらしだし、(^_^;)
ストーリーとは無関係なんですけど、ダ・ポンテが服を脱いでバルコニーから入ってくるシーンはプリンスかと思っちゃいましたよ!
この時代の衣装やヘアスタイルって、物凄くデコラティブですねぇ。男性のヘアスタイルがかなり独創的でいいなぁって思いました。楽士さんたちのカツラも面白いし、ロン毛にリボンっていうのもオシャレでいいなぁ!モチロン、モーツァルトの爆発ヘアもナイスでした!
原題:Io Don Giovanni
監督:カルロス・サウラ
撮影:ビットリオ・ストラーロ
製作国:2009年イタリア・スペイン合作映画
配給:ロングライド
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冒頭はヴィヴァルディの「夏」の嵐。緊迫感ある音楽は『アマデウス』の冒頭場面を意識させる。
ヴェネツィアの若き神父ロレンツォ・ダ・ポンテはユダヤ人だった。少年時代に改宗したはずだったが、じつは僧衣の下にユダヤの十字架を隠して下げていた。
秘密結社で....... [続きを読む]
こちらの記事を読み、「え、こんな映画やっていたの?」と、慌ててネットを調べ、本日MM21の映画館で観てきました。
いやあ、おもしろかったですね。久しぶりにモーツァルトの音楽を堪能しました。
冒頭「どうしてヴィヴァルディから始まるの?」と思ったら、ダ・ポンテはユダヤ人で、ヴェネツィアから追放されるんですね。それでウィーンへ行くと音楽が変わる。ダ・ポンテがモーツァルトにアイデアを吹き込み、モーツァルトが次第にやる気になっていく場面など、じつに上手い!
おかげさまで、すっかり楽しみました。
投稿: ディック | 2010年5月27日 (木) 19:10
ディックさん☆こんばんは
ディックさんのお役に立てて嬉しいです!
ヨーロッパの映画は余り広告してないので、見逃しちゃうことが多いんですよね。
これからも面白い映画を探して見ていこうと思います。
投稿: Roko(ディックさんへ) | 2010年5月28日 (金) 00:18