『モチベーション 3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』 ダニエル・ピンク
著者はモチベーションを三段階に分類しています。
・モチベーション1.0 生存のための行動
・モチベーション2.0 外的な刺激(アメとムチ)
・モチベーション3.0 内発的動機づけ(学びたい、創造したい、世界を良くしたい)
これまでの社会では、よく働いたらご褒美をあげよう、サボったらお仕置きだというようなルールこそが人々のモチベーションを上げるのだと考えていました。報奨制度、インセンティブなどを設定している学校や会社は沢山ありますが、それは上手く機能しているのでしょうか?
報酬には依存性がある
「お小遣いで釣って子供にごみを捨てさせたら、ほぼ確実に、その子はもう2度と、お小遣いなしではごみを出さなくなるだろう。」
良くやったからご褒美という順番だったはずなのに、その順番が逆転してしまって、「ご褒美をもらえないならやらないよ」になるというのは、ありがちな話ですね。
逆に「約束を守らなかったら罰金」というような「ムチ」のルールの場合も、ルールを作った側は抑止力と考えているのでしょうが、現実には「罰金を払えばいいんでしょ」という考え方をする人も出てきてしまうわけですよね。
結局は脅そうがすかそうが、本人がやる気を起こさなかったら意味がないんです。それじゃ、どうやってやる気を出させればいいのでしょう?
具体的でない報酬を検討する
ある行動に対して賞賛することが、お金や物より価値があるって考えたことありますか?
「ステキ!」「カッコいい!」「いいアイデアね!」「いいセンスだね!」そんな一言が嬉しくて、モチベーションがグッと上がるってことありますよね!お互いに褒め合うことができるグループにいればモチベーションは上がりやすくなるんですね。
楽しい時間は短く感じるという感覚は、誰しも持っていると思うのですが、そういう感じこそがモチベーションが高い状態なのだと思います。それは、他人から指示されてやるのではなく、自分の意思で行っているからだと思うのです。きっかけは何であれ、それを続けてやろうとするのは自分の意思です。
外的要因で人を動かそうとするのではなく、自分の意思でやろうとする方向へ進めること、それこそが正しいモチベーションであるはずです。
高いモチベーションを持てる人だけが、人生を楽しめるのだと確信しました。
R+(Reviewplus) さんからこの本を提供していただきました、ありがとうございます。
1194冊目(今年72冊目)☆☆☆☆
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子育てをしていても、報酬の無い形でルールを守って貰うには、褒めることと、いかに相手にとって楽しいこととして捉えてもらえるかが鍵で、いつもそこに四苦八苦しています。
書評を拝見して、大人も子供も実は共通点が多いなと感じました!
投稿: 竹村 詠美 | 2010年7月14日 (水) 14:28
竹村詠美さん☆はじめまして
ご褒美で釣るのではなく、それをやったら楽しいということをモチベーションにしないと、何事も続かないってことなんですねぇ。
楽しみを見出すことこそが継続力の秘訣なんですね。
これからも、どうぞよろしくお願いします(#^.^#)
投稿: Roko(竹村詠美さんへ) | 2010年7月14日 (水) 21:29