『ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』 青木 高夫
スキーのジャンプ競技で、スキー板の長さの規定が変わった時、F1でHONDAのターボエンジンが強かった時、日本車がアメリカで売れまくっていた時、ルールが変わった事を覚えてますか?
非関税障壁だとか、ジャパン・バッシングだとか、そういうルールを作るのはいつも外国で、日本はいつも被害者だという意識を持っている人が多いのではないでしょうか。
日本人にとってのルールとは、「守るもの」であって、「作るもの」という意識が薄いのではないかと著者は言っています。
ルールを守るということ自体は正しいことですが、それに縛られてしまっては仕方ありません。時と場合によってはルールが意味を成さない事もあります。
ルールを誰かに作られてしまって自分の方が不利になるというなら、自分もルール作りに参加すればいいのですが、日本人はそういう行動に出ようとしない民族なのです。
戦争や交渉が日常だったヨーロッパの人たちと、鎖国が長かった日本人の考え方が違うのはしょうがないですが、これからの時代、交渉ごとができるようにならなければ、いつまでもひがみ続けるしかありません。(^^ゞ
そして、ルールが変わるには、それなりの理由があるという事も考慮しなければなりません。
- 独り勝ちによる市場独占は社会を豊かにしない
- ルールがあるからこそ成長できることもある
世界的ルールを作る側に立てる日本人が増えるようになって欲しいものです。
1187冊目(今年65冊目)☆☆☆☆☆
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» 「ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」 青木 高夫 [日々の書付]
「ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」を読みました。Rokoさんのブログで紹介されていて気になっていたんです。nbsp;スキーのジャンプや水泳、柔道など、日本人が表彰台に立つたびにルールが改正されていく。
そのたびに「欧米はずるい!なぜ都合のよいルールをつくって、それを押しつけられないといけないのか(# ゚Д゚)」と思っていました。でも、それには理由があったのです。・日本人は、ルールを尊守し、その中で正々堂々と戦う美学(プリンシプル)があり、そこから外れた行為に対して不快感... [続きを読む]
こんばんは。
こいつはまた難しい問題ですね。るーるを作る側というか改訂する側が、誰かの一人勝ちを許さないというのを常に基本条件というか前提にしているのならいいんですが、現実には自分たちの都合の悪いところは改訂、既得権益のあるところは変えない、みたいなのが日本人的には嫌なんですよね。
例えば、世界中の穀物の遺伝子やら種を既に抑えているアメリカが自由に使えるようにするかというとしない。核についてもまた然り。特許ビジネスにおいても、デリバディブ商品についても。。そのあたりが日本人にはなんともかんとも、、、、というのもひがみかなぁ。
投稿: 樽井 | 2010年6月22日 (火) 00:00
樽井さん☆おはようございます。
もちろん利害は絡むのが当然ではありますが、ルールを作る側に参加しなければ、ずっとルールに振り回され続けるしかないんですよね。
そんな状態で愚痴ばっかり言っていても何も変わらず、ひがみっぽくなるばかり(^_^;)
ディベート力の無さは、これからの日本を益々窮地に追い込むような気がします。
投稿: Roko(樽井さんへ) | 2010年6月22日 (火) 07:55
Rokoさんのブログで紹介されてからずっと気になっていたので読んでみました。「欧米ではルール改正も勝負の一部」というのは、いままで考えてもみなかった事実で、衝撃を受けました。
確かに日本人はルールはつくるものではなく、守るものとして認識していますよね。
ひがんでいるだけでなく、工夫もだいじだけれど、ルールメーカーとなることもこれからの日本には必要なのですね。
投稿: 日月 | 2011年3月11日 (金) 13:11
日月さん☆そうなんですよ!
工夫で乗り切ろうというのが、これまでの日本人の対処法でしたが、それだけでは限界があります。
ルールを作る側に入らなければ、常に弱い側にいる事になってしまうという事実に気が付かなければいけないのです。
ガマンする事が美徳であるという考えを捨てないと、日本はドンドン追い詰められてしまいます。
投稿: Roko(日月さんへ) | 2011年3月11日 (金) 13:40