『「上司が無能」で「部下がバカ」なのには理由がある』 可兒鈴一郎
氷河期部下は、バブル上司のように同期の数も多くなく、親身になってくれる先輩たちすらいない場合もありますから、不満をぶちまけてストレスを解消する場所もないのです。したがって「ここまで言わないとわからないのか!」ではなく、外国人に対処するのと同じように、相手の個性を尊重しつつ丁寧に背景説明をしないといけないわけです。
これまでの日本的経営は、安定した社会の上にあるからこそ成立するものであったのだと、不安定な世の中になって初めて分かった様な気がします。
「今月の売上目標はこれだから」と朝礼で言われて、それに何の疑問も持たずに頑張ってきたのが、典型的な日本企業の社員です。でも、これからはそれじゃいけません。「その金額の根拠はどうなっているのですか?」という質問にキチンと答えが返ってこなければ、質問した人の心は会社から離れて行ってしまいます。
この本で紹介されている北欧企業の考え方は、とても分かりやすいものだと思います。
- とにかく説明すること
- 大勢での会議よりも、少人数の話し合い
- 重役であっても現場に出る
- 会社の都合ではなく、お客様の都合に合わせて様々なことを決める
バイキングの時代から、外の世界へ出ることを当たり前のこととしてきた北欧の人たちにとっては当たり前のことが、日本でどれだけ取り入れることができるでしょうか。
まずは「説明すること」から始めましょうか!
1209冊目(今年87冊目)☆☆☆☆
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