『リアル 7・8』 井上雄彦
この物語に登場する人たちは、みんな何かを失ってしまった人ばかりです。
身体の自由を失ってしまった人。家族を失ってしまった人。そして、自分を見失ってしまった人。
「失ってしまったことに対する未練だけで生きていたって、何にも変わらないんだよ」って、いくら人から言われたって、分かろうとしなかったら何もできないんです。
つらい事実から逃れようとして、現実から目を背けたいと思ったって、何にも変わらないんです。むしろ、もっと酷いことになってしまうのだけれど、それにすら気付けない自分がそこにいるんです。
亮クンが言っていた「障害者ってケンカしないと思ってた」「障害者って地味で真面目な人ばかりだと思ってた」という思い込みは、わたしたち健常者が持っている勝手な憶測なんですよね。誰にでも自由に生きる権利があるんだってことを、忘れちゃっているのは何故なんでしょうか?
夏美ちゃんの「選択肢がなくなることで、ただひとつ自分の自身が持てるもの…それを見つけることができた」という言葉は、ズシーンと来ましたね。そうだよ、それしか残っていないと思ったら、悩まずに飛び込むしかないじゃないか!ってね。
その言葉で勇気づけられた野宮クンは、今まで諦めていた道を再び目指すことになりました。もう、迷ってる場合じゃないんだよね、がむしゃらに飛び込んでいく野宮クン、ガンバレ!!
わたしも頑張らなければいけないことが幾つもあります。今やらなくて、後で後悔するのは絶対にイヤです。毎日1歩ずつでもいいから、前へ進んで行きたい!そんな気持ちを与えてくれる「リアル」は本当に素晴らしい物語です。
1210・1211冊目(今年88・89冊目)☆☆☆☆☆☆
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井上作品はスラムダンクとバガボンドは読んでるんですがリアルは未読。
やっぱり読まなきゃイカンかな。
投稿: バンコラン | 2010年8月12日 (木) 00:08
バンコランさん☆おはようございます
すいません、わたしはこれしか読んでないんですが(^^ゞ
もの凄くいい作品なので、是非読んでください!
人生について、いろいろ考えさせられてしまいました。
投稿: Roko(バンコランさんへ) | 2010年8月12日 (木) 08:10