『日本が教えてくれるホスピタリティの神髄』 マルコム・トンプソン
この本の著者であるマルコム・トンプソンさんはザ・ペニンシュラ東京の総支配人です。
同じホテルを利用していても、外人客と日本人客では観点が違うというのです。外人客は、施設や調度の豪華さ、重厚感などにホテルのステータスを感じるのだそうですが、日本人客の場合、いかに自分が大事にされているかという部分を重視する傾向なのだそうです。
ホテルを使用した後に、「当ホテルのどこが気に入っていただけたでしょうか?」という質問をした場合にも、そのリアクションは全く違うのだとか。外国客は、ここが素晴らしかった、あそこが気に入ったという回答をしてきますが、日本人はこの質問にはなかなか回答してきません。
逆に「どこがご不満でしたでしょうか?」という質問を行えば、具体的に細かく指摘してくれるのだそうです。日本人が持っている「おもてなし」という感覚が外国人とはまったく違うものなのではないかと著者は言っています。
それは決して欠点だけを指摘するということではなくて、「こういう風にしてくれたら、もっと気持ち良く過ごせるのに」という提案が多く含まれているので、それをホテルとしても取り入れることが多いのだとか。
日本的なものを見たいという希望を持つ来日客には、ガソリンスタンドへ行くことを薦めるという言葉がありました。日本独特の「おもてなし感」とはそういうものなのかと、目から鱗な発見でした。
1223冊目(今年101冊目)☆☆☆☆
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日本のおもてなしは今後どんどん海外に広めていくべきだと思いますね。
製品ではなくマインドを売ることができると思います。他国へ行くと日本のサービスがいかに優れているか、を感じることがあります。細かくあげたらきりがないくらいです。
一例をあげると宅配便の時間帯指定の正確さ、とか。
投稿: ゆみりんこ | 2010年9月16日 (木) 21:38
ゆみりんこさん☆こんばんは
宅配便もそうだし、電車のダイヤの正確さとか、日本人の繊細な感覚は、もっともっと自慢して良いものだと思います。
ただし、繊細過ぎてみんな同じになってしまうという傾向があるところがチョット気になってます。
投稿: Roko(ゆみりんこさんへ) | 2010年9月16日 (木) 22:31