『100歳の少年と12通の手紙』 エリック=エマニュエル・シュミット
白血病で入院しているオスカーは、自分の病状がかなり深刻であることを知ってしまいました。なのに、それについては絶対に話そうとしない両親のことを臆病者だと思っていて、そんな両親に心を開くことができません。
彼が唯一心を開くことができる相手はローズさん。元プロレスラーだった彼女と話をする時だけがオスカーにとって安らぎの時間なのです。
自分がどんな病状であるのか、最近はかなり告知されるようになりました。でも、相手が子供の場合、なかなか本当のことを伝えられないのは仕方ない事なのかなと思います。
とはいえ、自分が後どれだけ生きられるのか?という事を知りたいと思う気持ちも大事にしてあげなければいけないとも思います。たとえ残り時間が短いとしても、その間にやっておきたいことがきっとあるのですから。
それは分かっていても、本当のことを伝える勇気を両親に求めるのも、それはそれで難しい事ですね。それによって本人がどういう反応をするのかは、予測がつかないのですから。
とても難しい問題だけど、わたしが病人側だったら本当のことを教えて欲しいなと思います。少しでも元気なうちにやっておきたいことがたくさんあるんですもの。
この作品は映画化されて近日公開なので、見に行こうかなぁ。
1239冊目(今年117冊目)☆☆☆☆☆
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