『考えよ! なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』 イビチャ・オシム
なぜ日本人はリスクを冒さないのか?
(角川oneテーマ21 A 114)
角川書店(角川グループパブリッシング)
この本はワールドカップ南アフリカ大会の前に書かれたものなのですが、オシムさんの予想の的確さには驚いてしまいました。日本のマスコミの予想が大外れだったのとは対照的でしたね。世界のサッカーを正しく見ていたオシムさんの眼力には恐れ入りました。
この本を読もうと思ったきっかけは、やはりこのタイトルです。「なぜ日本人はリスクを冒さないのか?」この問題は、あらゆるジャンルに関ることだと思うのです。
それがサッカーであれ、他の仕事であれ、才能があって努力もしているのに、もう一つ抜け出せない人の多い事!それが何故かと考えると「リスクを恐れる」という事に尽きると思うんです。
ここでシュートを打てばいいのに!ここで「やります」と言えばいいのに!ここで立ち止まっちゃいけないのに!あと一歩踏み出せばいいだけなのに、そこまでになってしまうのは何故なんでしょう?
他人より目立ってはいけない、失敗は許されない、面倒なことはやらないでおこう、普通が好き、なんて育ち方をしている日本人には無理なんでしょうか?
いやいや、そんなはずはないと思います。そのもう一歩を踏み出せるようにするには、どうすればいいのか考えればいいと思うんです。
オシムさんの言葉を借りれば「走りながら考えろ」なんだと思います。立ち止まって考えてしまうから、その次の一歩が出ないのであって、走りながらだったら足は自然に前に出てしまいます。逆に止まる方が難しいのかもしれません (#^.^#)
もう一つの問題は「指示待ち」体質なのだと思います。言われたことはできるけど、自分から動き出すことができないことが、立ち止まってしまう原因になってしまうのでしょう。
親やコーチや上司などの指示が常に正しいとは限りません。なのに、何の疑いもなくその通りにしてしまう体質は、今すぐ変えなければいけませんよね。
この本は日本のサッカーについてのみ語っているのではなく、日本の社会全体に対しての提言であるのだと思えました。やっぱりオシムさんはスゴイです!
1247冊目(今年125冊目)☆☆☆☆☆
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