『「あなたの説明はわかりやすい」と言われる本』 高嶌幸広
先日、落とし物をして駅前の交番で届出の用紙を書くために、10分ほどそこに滞在しました。その間に何人もの人が道を聞きに来るのです。通りの名前を確認する人、目的地へはどう行けばいいのか聞く人、バス乗り場を訪ねる人、それに的確に答えるお巡りさんって凄いなぁって思いながら聞いていました。
これとは逆に、質問にまともに答えていなかったり、あるいは説明の方向性は合っているけれども無駄に長い説明や、ポイントがずれている説明をされると、ホントにイライラしてしまいます。こんな人に聞かなきゃよかったなんて思うしね。
本人が分かってないから説明できない場合ってのもあって、こういう時は逃げるが勝ちですね。そういう人に限って諦めずに説明したがるのは何故なんだろう?
本人は分かっているんだけど上手く説明できないのだったら、本書には色んなヒントが書かれています。
まずは「目的意識」です。「何を」「なん(誰)のために」ということを理解できなければ的確な説明はできません。相手が子供なのか大人なのか、専門家なのか素人なのか、説得したいのか現実を伝えるだけでいいのか、そこを間違えてしまったら意味がありません。
そして「相手の立場に立って話す」ことが大切ですよね。相手が理解できる言葉で、相手が共感できるような内容で話をするということは、基本中の基本のはずですが、何故かそれを忘れちゃっている人が多いですねぇ。
自分が知っていることは、他人も知っていると思いこんでしまっているのでしょうか?人間は1人1人違うんだから、相手はそれを知らないかもしれないという前提で話をしなければいけない事が多いはずですよね。
わたし自身も前提条件を説明せずに話をしていて「それ何?」と突っ込まれることが良くあるのですが、そうやって突っ込んでくれる人は親切な人なんですよね。分からなくても適当に流してしまう人の方が実際には多いと思います。
分からないままに話が進んでいくということは、話を正しく伝えられない → 誤解を生じる or その人の話を聞きたくないと思う、という困った状態に陥ってしまいます。
「あなたの説明はわかりやすい」と多くの人から言われるような話ができるよう、努力していきたいなと思います。
この本は 書評サイト 「本が好き!」 より提供して頂きました。どうもありがとうございました。
1249冊目(今年127冊目)☆☆☆☆
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