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『妻の超然』 絲山秋子

妻の超然

絲山秋子(いとやま あきこ)

新潮文庫

 妻の超然、下戸の超然、作家の超然という3作品がこの本に収められています。

 

妻の超然
 40代の子供がいない主婦の心の内が語られている作品です。こういう心理って、何となく分かる気もするけれど、わたしだったらこんな中途半端な状態は耐えられなくて、ケンカするか飛び出すか、何らかのアクションを起こしちゃうだろうなと思います。

 

下戸の超然
 主人公は男性ですが、こちらの心理の方が共感できるなぁって思いました。何でも一緒にやってくれないとイヤっていう彼女の態度に、ドンドン腰が引けていく感じが分かるなぁ。こういう女性はわたしも嫌いだもの。

 

作家の超然
 手術の為に入院することになった作家のお話です。作家という仕事は東京にいなくてもできるものだからというあたり、これは絲山さん自身の事なんですか?って聞きたくなりました。

 

 どの作品にも共通していたのは、普通の人の感情がとてもストレートに書かれているなって所です。特に大きな事件が起きるわけでもなく、淡々と毎日を暮していて、ふと気が付いた違和感ですよね。気が付いちゃったらどうにもならない!それにどうしても囚われてしまう自分を観察するって、できそうでできないことですもの。そういうところがいかにも絲山さんだなぁと思ったのでした。

 

1253冊目(今年131冊目)☆☆☆☆

 

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日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

Rokoさん、こんにちは!
3つの超然、どれも面白かったですね。

>主人公は男性ですが、こちらの心理の方が共感できるなぁって思いました。何でも一緒にやってくれないとイヤっていう彼女の態度に、ドンドン腰が引けていく感じが分かるなぁ。こういう女性はわたしも嫌いだもの。
全く同じです。前半は、良い感じだなぁ~恋の始まりと、一番良い時期は読んでいるこちらまでが熱くなる感じでしたが、段々はぁ~~っ・・・という厳しい状況に・・・(^^ゞ
3つめは、凄く男前というか潔い作家の超然を感じました。

PS テルマエ・ロマエ、面白いですよね~。私も最近3を読みました。
阿部寛で映画化だなんて、凄い適任で笑いました。

latifaさん☆こんにちは
人との関係って微妙ですね。
相手を理解することも大事だけど、無視することも又大事。
いかに自分がブレずにいられるかって事の大変さを感じました。

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