「名前のない少年、脚のない少女」 試写会@UPLINK FACTORY
ブラジル映画って聞くと、熱い太陽、サンバ、情熱、なんてイメージを持ってしまいませんか?
この映画に登場する村は、ドイツ系の人達ばかりが住んでいて、冬は寒く、道路は全く舗装されていないような田舎の村です。
ブラジル南部なので冬は寒いし、こんな場所がブラジルにあるなんて思いもしないような静かな場所です。
主人公の少年は母親との関係は何となくギクシャクしてるし、学校も楽しそうじゃないし、ネットへの書き込みと、友達との会話だけで生きているような子です。
そんな彼がネット上で見つけたのは、死んでしまった少女の写真です。永遠に手が届かないところにいる人に恋してしまったのです。
地球の何処で生きていようが、今はみんな同じような生活をしてるんです。地球の裏側の小さな村でも、少年たちは携帯電話を持ち、ネットで会話をしているのです。悩みも、妄想も、そんなに差はないんですね。
まだまだ外国の事って知らないことばかりなんだなぁと思います。
そして、ブラジルは多民族国家なのだという事を改めて認識させてくれた映画でした。
わたしのダンスの先生が日系ブラジル人なのですが、母方のお祖父さんがドイツ系の方なのだそうです。この方は人種についてかなり偏見を持っていて、自分の娘が日系人と結婚することに強く反対されていたのだそうです。
ずっとブラジルで暮らしていても、そういう考え方を持っていたのは何故なんだろう?って思っていたのですが、この映画を見て、その謎が解けたような気がします。
様々な人種が混ざり合っている都会の人と、ほぼ単一民族でコミュニティが成立している田舎の人とでは、考え方がまるで違ってしまうのですね。未知のものに対する恐怖が偏見を生むって、悲しいことです。
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