『ここは東京』 片岡義男
片岡さんの作品は小説であっても写真であっても、独特の雰囲気があります。それは何かに対する愛に溢れているのに、決してべた付かない感じというのかなぁ?執着もしないし、流してしまうのでもなく、適度な距離感があるとでもいうのでしょうか。
普段見慣れている風景なのに、その中にある何かにとても惹かれてしまうことがあります。それは古ぼけた建物だったり、道端のタンポポだったり、特に珍しいものではないのに、見過ごすことができないものがあります。
これいいなぁと思った時に、写真を撮ったり、絵を描いたり、その気持ちを文章にしてみたりって大事なことなんだなぁと思います。その感情は記録しなかったら、きっと忘れてしまうから。
「こんな気持ちになったんだ」という記録を積み重ねていくと、自分というものが少しずつ見えてくるんじゃないかなぁ?
この本は写真集なのに、やっぱり片岡さんの声が聞こえてきました。
僕が撮った写真には、どの写真にも僕がいる。
1279冊目(今年20冊目)☆☆☆☆☆
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片岡さんの小説、20代のころにいっぱいよみました。私の本棚の一角が片岡文庫でした。
彼の小説にでてくる一人でも凛とした女性が好きで、あこがれていました。そんな女性に今の私が少しでも近づけていたらなぁ・・と思います。
独特の乾いた感じはきっと外国のにおいなんでしょうね。純日本のことを書いていても日本的ではない感じです。
この本は写真集なんですね。見てみようっと!
投稿: ゆみりんこ | 2011年3月 7日 (月) 00:17
ゆみりんこさん☆おはようございます
片岡さんの世界って心地良いんですよね。
昔ラジオで良く片岡さんの声を聴いていたのですが、その声がまた良いんです。
片岡さんが朗読したオーディオブックがあったら買っちゃうかも?
投稿: Roko(ゆみりんこさんへ) | 2011年3月 7日 (月) 06:52