『信じるものは救われない』 内藤 誼人
性善説と性悪説という対照的な考え方があります。「基本的に人間のことを信じるべきだ」という性善説を、日本人のほとんどは信じているんじゃないでしょうか?
盲目的に、こんなこと信じてませんか?
「電車やバスは時間通りに来る」「約束は守られる」「お医者さんがこれを飲みなさいといった薬は必ず効く」「会社は社員を守ってくれる」
それを信じたばっかりに、薬害の被害者になったり、頑張って働いていたのに突然リストラされたり、なんてことがありますよね。
性悪説というと、悪いイメージがあるかもしれませんが、そんなことないんですよ。
「人間は間違いを犯すもの」「どんなに正しいことでも、それを聞き入れてもらえるわけではない」「誰一人として同じ考え方をする人はいない」「人はウソをつくもの」
一言で言ってしまえは、「他人をアテにしてはいけない」というのが「性悪説」なんです。
人はすぐにウソをつき、肝心なことは何も教えてくれないというスタンスでいよう。誰も教えてくれないのだから。自分の目で盗むか、自分で何とかしなければならないと思ていた方がいい。
信じているからこそ、裏切られたときに腹が立つのです。疑ったことがないから、期待した応えが返ってこないと、自分が悪いのではないかと思ってしまうのです。
だったら、最初から信じていなければいいんだと著者は言っています。そうすれば、ムダに怒ったり、がっかりしたりする必要はなくなるのだと。
「性悪説」とは、言い方を変えると「悟り」なのかもしれません。誰かに期待するのではなく、やってもらえなくて当たり前、つまらない事を言う人がいて当たり前、話しても分からない人がいて当たり前、って思っていた方がいいという事ですね。
自力で道を切り開いていかないと、人生というのは思うようにならない。
こんな時だからこそ情報を鵜呑みにせず、自分で判断し、行動することが大事なのです。
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