情報の力
あの大地震から10日経ちましたが、地震や津波だけでなく東電の原発の事故もあり、いつ何が起きるか分からない毎日が続いています。
計画停電による交通機関の乱れ、ガソリン不足、食料品や生活用品の流通の遅れなど、様々な問題がありますが、いずれにしても情報不足なのが一番の問題であると思います。
TVのニュースは映像があるので分かりやすそうだけど、細かい部分が流れてしまうように思います。それに同じような映像ばかり流しているから、それが過去の事なのか、今起きている事なのかを混同してしまう恐れがあります。それによって恐怖をあおってしまっているような気もするのです。
その点ラジオは余計なものがない分、長時間聞いていても疲れないなぁと思います。
あの地震の時、わたしは iPhoneアプリの「radiko」を聞こうとしました。でも使えませんでした。しかし、インターネットは使えたので、Yahooのニュースで三陸沖の 地震だという情報をすぐに知ることができました。その日はずっと radiko は使えませんでした。
最初にいた場所から徒歩10分ほどの所にあるラジオ局のサテライトスタジオまで行ったら、ラジオ放送を聞くことができました。そこで津波警報を聞きました。そして、これはただ事ではないという事を知りました。
あの時、ケータイは無力でした。まったく掛かりませんでした。対照的に、公衆電話からイエ電へは難なく掛けることができました。それに気付かず、ケータイをかけまくった人が多く、益々掛かりにくくなったわけです。
その後、幸い乗れたバスの中から街をながめたら、街頭にあるTVの前に大勢の人が集まっていました。みんな情報を欲しがっていたのです。今何が起きているのかを知りたかったのです。バスの中でワンセグの放送を見ている人もいました。
今回の災害で学習したことは、
- こういう時には電車はすべて止まる
- その日の内には、ほとんどの線は運転再開しない
- ケータイ電話は使えない
- メールやスカイプは使える(インターネットが使えれば)
- タクシーはつかまらない、乗れたとしても渋滞で動けない
- 公衆電話は使える
- 数時間待てばバスは動く
- 駅やバスの営業所で地図をもらえる
- 食料や水を確保する、食事ができるなら食べておく
- トイレを見つけたら用を足しておく(次にどこで入れるか分からないので)
ということでした。
更に、こういう時の為に準備すべきこととして
- 持病の薬は多めに持って出かける
- 路線図や地図などを持ち歩く(覚えておく)
- 公衆電話の設置場所をチェックしておく(何故か非公開情報なのです)
- 会社や出先から家までのバスルートを確認しておく
- 会社や出先から家までの徒歩ルートを確認しておく
- 普段から歩く練習をしておく
- ケータイ電話以外の連絡方法を考えておく
- 家族と話し合いをしておく
また大きな揺れが来て橋が渡れなくなったら、道路沿いのビルから何か落ちてきたらなんて不安はありましたけど、家までの道が分かっていて、そこを歩いたことがあって、さほど遠くないという情報が頭に入っていたわたしは、あの日ほとんど不安を感じませんでした。
どうやって帰ればいいのか分からないという不安は恐怖心をあおります。どんなに準備をしても、それを上回る事態が起きることはありますが、ちゃんと準備してるんだということが、心の余裕を生み出すのだと思います。
こんな災害がまた起きたら困るけど、それをむやみに恐れないためにも、準備作業は大事だと思うのです。
« 『そういうものだろ、仕事っていうのは』 大崎善生ほか | トップページ | 『モーレツ!イタリア家族』 ヤマザキ マリ »
「コラム」カテゴリの記事
- カーボベルデという国(2023.09.03)
- 2022年を振り返って(読書篇)(2023.01.01)
- 新宿駅南口の馬水槽についての新発見(2022.12.04)
- Guns n’ Roses 日本公演@さいたまスーパーアリーナ 11/6(2022.11.06)
- 2021年を振り返って(読書篇)(2021.12.31)
コメント
« 『そういうものだろ、仕事っていうのは』 大崎善生ほか | トップページ | 『モーレツ!イタリア家族』 ヤマザキ マリ »
こんばんは。
まだ十日しか経っていないのか、、という印象ですが、逆にいえばもう十日、被災地への支援や助けはよくよく考えればもっと進んでいてもいい頃合いですね。
そういう意味では、情報の氾濫があまりに強すぎて、これだけの日数がたっているのにこれだけしか出来ていないという肌感覚での情報が感じられないのはあんまりよくない傾向なのかも知れませんね。
今回のRokoさんのまとめ。
コピーしておきます。関西人の我々はこのあたり適当だから^^ あれだけの震災を経験しているのに、いまだに非常袋とかの備蓄がないんですよね。けれど、今回のあれを見てさすがにちょっと考えました。
投稿: 樽井 | 2011年3月22日 (火) 22:57
樽井さん☆こんばんは
徒歩で帰宅する人の中で、ヘルメット&非常袋を身に付けた方を結構見かけました。
そういえば、わたしが以前勤務していた会社では、机の下に必ずヘルメットが用意されていました。
次の日に街を歩いていたら、ビルの外壁がかなり落ちていたので、避難時はヘルメットか、せめて帽子は被っていた方が安全だなと思いました。
会社で避難訓練をなさっているとは思いますが、個人的にも非常時のシミュレーションはしておいたほうが安心だと思います。
投稿: Roko(樽井さんへ) | 2011年3月22日 (火) 23:18
ROKOさんの覚え書きに私はプラスして、
○明日のことを考えないでその当日最善なことを行う。
ということを考えました。
私は歩いて帰れば2時間かからずに職場から帰れたのに、翌日の仕事を考えて体力を温存するため、バスに乗り、かえって家に着くまでに時間がかかってしまいました。
あんなに電車がとまったのに翌日は動くと思って、明日どうやって仕事に行こうか、と考えながらバスに乗り、歩きながら思っていたのです。
翌日は全館休業でした( ̄○ ̄;)
どうもこれは日本人的考えだとわかったのはその翌週からの外資系ブランドの対応でした。
投稿: ゆみりんこ | 2011年3月22日 (火) 23:51
ゆみりんこさん☆確かに、翌日はほとんど休みでしたね (-_-;)
非常時には自分の事を先に考えていいのに、やっぱり日本人っていつも会社の事を心配してるのよねぇ。
「明日のことを考えないでその当日最善なことを行う」って、非常時じゃなくても大事なことだと思います。
余計なことを考えず、今できることに全力を尽くせば、道はおのずと開けるし、それが一番無駄のない行動なのだと思います。
投稿: Roko(ゆみりんこさんへ) | 2011年3月23日 (水) 00:07