サインミュージカル 「Call Me Hero !」
世田谷パブリックシアターで上演されていた「Call Me Hero !」を観に行ってきました。
この物語は、主人公を演じている大橋ひろえさんの自叙伝を基にしたもので、聴力がほとんどない主人公が、ダンサーとして花開いていくまでの物語を手話(サイン)で歌い、踊るミュージカルです。
ところで、ダンスって音楽に乗って動くものだから、聴力がない人には無理だって思い込んでませんか?
ところが、そんなことないんですよ!床から伝わる振動、空気を伝わってくる振動を感じて踊ることができるのだそうです。とはいっても、ものすごい努力が必要なのだと思います。
この舞台では、ひろえさんだけでなく、何人もの聴力障害を持つダンサーさんが踊っていたのですが、はっきり言って誰が聞こえていないのか判りません!それくらい素晴らしいダンサーさんが存在していることに驚いてしまいました。
ひろえさんが子供の頃に、話す技術を必死にお母さんが教えるシーンが何度も出てきました。自分がどんな音を発しているのか分からない子供に言葉を教えるのって、想像を絶する熱意がなければ無理です。その甲斐あって、彼女は小学校から高校までを普通の学校に通ったのです。
その熱意はありがたいものではあるけれど、それ以上に迷惑でもあっただろうに、それを否定することができなかった子供時代のひろえさんの苦悩は計り知れないものがあったのでしょうね。
子供にとっての親というのは絶対的な存在だから、どんなにムチャなことをされようと、子供側には拒否権がないんですよね。「そんなのイヤだ!」と言えば良いのだということを知らずに育ち、大人になっても、それこそ一生言えず終いの人も多いのじゃないかしら?
わたし自身も子供時代の嫌な思い出がいくつもあるけど、ひろえさんの苦悩に比べたら大したことなかったなぁって思っちゃいましたよ。
最後の方で、ひろえさんとマドンナが2人で踊っているシーンで、一瞬音が無くなった時にドキッとしました。音の無い世界で踊るってこういう事なの?ってことに気付かされたんです。
わたしは音楽があるから、ビートがあるから踊れるけど、あの状態で踊れるってスゴイ!とんでもない集中力で踊ってるんだなぁってことをヒシと感じました。そして、人間の可能性って果てしなくあるものなんだなぁって事を強く感じました。
ホントに素晴らしい舞台でした!
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