『もう声なんかいらないと思った』 大橋弘枝
先日観に行ったサイン・ミュージカル"Call Me Hero !" の主演をされていた大橋ひろえさんの自叙伝です。
聴力障害者の会話といえば手話であると、健常者は画一的に考えてしまいがちですが、実はそれだけではないんですね。ひろえさんのお母さんは口話(相手の唇を読み、自分も声を発して会話する)のトレーニングを徹底的に行いました。そして彼女はろう学校ではなく、普通の学校に通っていたのです。
普通に喋れているように見えても、そんなことはありません。相手が後ろを向いてしまえば言葉は聞き取れないし、自分の後ろから声を掛けられたら分からないのです。そして、自分の声がどんなものなのかを聞いたことがないのです。
高校を出て就職してから、手話というものに出会った彼女は、その素晴らしさにビックリし、必死に勉強しました。そして、手話ができないと他のろう者と話ができないという現実もあるんですよね。
ひろえさんが出演されたミュージカルを見にいった時、「手話にも日本語と英語があるんだね」とわたしの前の席の人たちが話をしていました。健常者の認識ってそんなものです。言語形態が違うのだから当然なんだけど、それを必要としない者にとっては知らずに通り過ぎてしまうものなのですね。
聞こえないから踊れないとか、見えないから絵を描けないとか、しゃべれないから歌えないとか、勝手に思い込んでしまっていることがたくさんあるのですね。
ひろえさんは、そういう思い込みを片っ端から打ち破ってきました。
とにかくやってみよう!
できない理由を考えるんじゃなくて、やってみるしかないんだ!
このバイタリティに惹きつけられてしまいます。
こんなことをしたら他人に笑われるんじゃないか?失敗したくない!わたしなんかにできるはずがない!もう歳だし!そんなヒマがない!そのうちやりたいですね!
こんな言訳ばっかりが世の中に溢れています。
そんなこと気にすることないから、とにかくやってみようよ!
ひろえさんのように自由を求める心を持ち続けたいです! Never Give Up !
1297冊目(今年38冊目)☆☆☆☆☆
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