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『自分探しと楽しさについて』 森博嗣

自分探しと楽しさについて

森博嗣(もり ひろし)

集英社新書

 「楽しく生きる」って、とても大事なことだけど、決して特別なことじゃないと思います。誰だって幸せになりたいんだし、毎日を楽しく生きるって当たり前のことだとわたしは思っています。

 

 でもね、そうじゃない人が世の中にはとても多いのです。話をしていても、話題は上司の悪口か、芸能人の噂話か、近所の誰かさんの悪口ばっかり。趣味は?と聞けば食べることとTVドラマを見ることなんてのじゃ、つまらなそうだなぁ~って思っちゃう。(-_-;)

 

 何かやりたいことはないの?と聞けば、「こんなことしたいんだけど・・・」の後に、「でも無理だから」「ヒマがないし」「お金がないし」「もうちょっと若かったらね」「そのうちに余裕ができたら」って答の多い事!どうしてダメだって、自分で決めちゃうんだろう?

 

 著者の森さんは、その辺りをズバッと分析してくれています。

 

 なにかを犠牲にする

 

 あれもこれも全部やろうとしたって無理なんだから、どれか1つ、あるいは数個ぐらいに絞らなければ、っていうことを理解し、実行できるかが1つ目のポイントです。誰だってやりたいことは沢山あるんだから、それに優先順位をつけて、上の方からやっていけばいいだかなんだけど、そこをサボっちゃうと、どれからやっていいか分からない?全部やりたい、時間が足りないになってしまいます。

 

 楽しさは能動的なもの

 

 流行ものだから、お手軽だからってものにばかり反応していると、手間がかかるもの、面倒なものを避けたくなってしまいます。でもね、実は手間暇かかる面倒くさいことこそ、本当に楽しいものなんじゃないかなぁ?

 

 それが好きじゃない人にとっては、単なる「面倒くさいこと」が、それを好きな人にとっては「超楽しいこと」なのよねぇ。

 

 たとえばね、イチロー選手にとっては、ストレッチも走り込みも素振りも、きっと楽しいことなんだと思うの。誰かにやれって言われてやってるわけじゃないのよね。好きでたまらないのか、やらずにはいられないってものかは別として、決して辛いとは思ってないはずでしょう。

 

 わたしは趣味の為に生きているような人間だから、森さんの文章を読んでいて、物凄く嬉しくなってしまったんです。「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、他人は他人」と、はっきり線引きをしてしまえば、それだけでも毎日は楽しくなってきます。

 

 「そんなにドライに割り切れないよ」とおっしゃるあなた、それはタダの勘違いじゃありませんか?自分の意見をきちっと言わないから、自分の頭でちゃんと考えてないから、長いものに巻かれちゃって、毎日が辛くなってませんか?

 

 誰かとつるまなくても、1人でできる楽しい事って、世の中にはたくさんあるんだから!

 

 モチロン大勢で何かをやるって楽しいことだし。

 

 もっともっと自由に考えれば、できない事なんてほとんどないんだから!

 

 森さんステキ!!

 

1300冊目(今年41冊目)☆☆☆☆☆☆(絶対におススメ!)

 

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