『いい顔してる人』 荒木 経惟
すべては顔に出るもんです。
どんな人の中にも美しさを見出すことができるアラーキーって、スゴイ人なんだと思う。きっとね、パッと見た瞬間に見えてるんだろうなぁ、その人の中身が。どんなにきれいな服を着ようが、化粧しようが隠せないものを感じ取ってしまうんだろうなぁ。
見ることは見られることである。
一生懸命に見なければいけない人やモノを前にしても、見てない人ってホントに見てないんだよねぇ。興味を持てないのか?集中力がないのか?
自分の気持ちが外へ向かっていかないと、他人に自分を伝えることなんてできないじゃない。まわりを必死に見続けていると、おのずと自分が出てくるような気がするの。
何かにかけている時の顔は美しいよ、
美男美女なんてものを軽々と超えた美しさだ。
逆から言えば、一生懸命にやっていて顔が美しくならないなら、
その仕事は向いてないってことなんじゃないの。
凄い言葉だよねぇ。こんな風に分かりやすく言ってくれる人っていないよね。
わたし一生懸命なんですって言いたげな(時には大声で叫んでる場合も)人って、美しくないのよね。淡々と頑張っている人は間違いなく美しいのよ。その差は本当に大きくて、大きくて、悲しくなるほどの差なの。
ダンスをやってるとね色んなことが分かってくるの。ヘタなうちはいいのよ、一生懸命さだけが前に出てくるから。少し上手くなってくると、いろんなものが出てきちゃうの。前に行きたいとか、先生に褒められたいとかね。
モチロン、そういう気持ちも大事なのよ、前に出ようという気持ちが無かったらダンスなんて上手くならないもの。「わたし、後ろの方でいいんです」なんて気持ちじゃ上手くならない。
何でもそうだけど、言われなくても練習する、思わず勉強しちゃうというタイプには絶対に敵わないの。そういう人には、辛いなんて気持ちは生まれないんだから。叱られても、失敗しても、すべてが自分の栄養になっちゃう人には、ケンカを挑んでもムダなのよ。
一途に頑張ってる人は絶対にいい顔してる!それは間違いないよね!!
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