『BORN TO RUN 走るために生まれた』 クリストファー・マクドゥーガル
著者のクリスはランニングが趣味なのだけれど、いつも足の故障に悩まされていました。どんな医者に診てもらっても、「走っている限りは治らない」と口を揃えて言われてしまうだけで、決定的な解決策は見つからなかったのです。
その答えにどうしても納得できなくて、様々なランナーのことを調べていくうちに、不思議なランナーたちのことを知ったのです。メキシコの悲境に住むある村では、村人がみな優秀なランナーだというのです。そして彼らはみな裸足か、簡単なゴム草履で走っているのだと。
スポーツを熱心に続けている人たちは、ほとんどの人が身体のどこかに故障を抱えています。どこも痛くない状態でスポーツを楽しんでいる人なんて、少なくともわたしの周りには一人もいません。その故障と巧く付き合えるかどうかは、わたしにとっても大事なことです。
この本に登場する優秀なランナーたちには、そういう悩みがないのです。著者もそこに惹かれて取材を続けていったのでしょう。どんなに走り続けても痛みに苦しむことがなく、故障することもなく、気持ちよく、いつまでも走り続けていられるって、どんな秘密があるのでしょう?
ここで発見できたのは、これまでわたしたちが信じてきた常識に捕らわれちゃいけないってことです。脚に対する衝撃を和らげるためにクッションの効いたランニングシューズを履くべきだとか、ストレッチは大事だとか、歳を取ると走るスピードが下がるとか・・・
文明という名前に騙されて、本来人間が持っていた能力をなくしてしまっている事の愚かさを痛感しました。
最初はなんだか読みづらい本だなぁって思ったのだけれど、途中からがぜん面白くなってしまって、登場する個性的なランナーたちと一緒に走っているような気持ちで本を読み終わりました。
ベアフット・ランニングって何だか魅力的な響きですねぇ。普段裸足でダンスをしているせいでしょうか、裸足でってところに妙に惹かれてます(#^.^#)
1330冊目(今年71冊目)☆☆☆☆☆
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