『本についての、僕の本』 片岡義男
アメリカについて語る片岡さんの視線は、いつも優しく、いつもノスタルジーに溢れています。
マリリン・モンローに知性を見出し、ゲイリー・クーパーの魅力を語り、ビートルズのモノクロ写真をたたえ、映画をこよなく愛していて。
決して熱く語るわけではないのだけれど、自分が好きなものに対する思いを言葉にすると、そこには限りない愛が溢れ出す。それが片岡義男の魅力なのだと思います。
この本が出版されたのが1988年、ここで紹介されている本はその時代のもの、あるいはそれ以前のものなのだけど、思わず手に取ってみたくなるようなものばかり。
ハイウエイのかたわらに立つ、巨大なドーナツや恐竜の写真集 "The Well-Built Elephant"、エドワード・ホッパーの絵と、そのモデルとなった建物の写真を並べて見せている "Hopper' s Place" そして "How to Survive in The U.S.A"。
こんな本を探しに神保町へ行きたくなってきました。
1333冊目(今年74冊目)☆☆☆☆
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