『バルタザールの遍歴』 佐藤 亜紀
以前に キング堂ブログ支店 さんで見かけて気になっていたこの本、やっと読むことができました。
全編を通して感じるのはヨーロッパの香りです。翻訳ものじゃないの?と思わせるような文体、ストーリー、これがデビュー作とは佐藤亜紀恐るべしと思いました。
何が凄いって、主人公の想定ですね。1つの身体を共有する双子って、最初はピンとこなかったんだけれど、読み進むにつれて2人の個性の差がはっきり出てきて面白かったですねぇ。
最初の方ではバルタザールの我儘さが強いのかなぁって思っていたのですが、 危機的状況になった時のメルヒオールの強さにニヤニヤしてしまいました。
身体は1つなのに、そのなかで会話し、ケンカし、仲良く、勝手に、生きていく2人は、この後どうなっていくのか、ちょっと気になるラストでした。
こんなに素晴らしい作品なのに、新潮社から出版されていたものは絶版になっているのだとか。出版社って何なんだろ?って思っちゃいます。詳しくは著者のサイトを見てください。
1345冊目(今年86冊目)☆☆☆☆☆
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Rokoさんこんにちは。
ご紹介ありがとうございます、楽しんでいただけたらなによりです。次はぜひ『天使』と『雲雀』をセットで読んでください。『天使』を一読してわかりにくかった点が『雲雀』を読んだら納得できて、そしたらまた『天使』が読みたくなって、さらに理解が深まったらもう一度『雲雀』を、と無限ループに陥ること間違いなしです(笑)
投稿: kingdow | 2011年11月22日 (火) 12:41
kingdowさん☆2冊セットですか~?
今度読んでみますね。
投稿: Roko(kingdowさんへ) | 2011年11月22日 (火) 23:14