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『バルタザールの遍歴』 佐藤 亜紀

バルタザールの遍歴 (文春文庫)

 以前に キング堂ブログ支店 さんで見かけて気になっていたこの本、やっと読むことができました。

 全編を通して感じるのはヨーロッパの香りです。翻訳ものじゃないの?と思わせるような文体、ストーリー、これがデビュー作とは佐藤亜紀恐るべしと思いました。

 何が凄いって、主人公の想定ですね。1つの身体を共有する双子って、最初はピンとこなかったんだけれど、読み進むにつれて2人の個性の差がはっきり出てきて面白かったですねぇ。

 最初の方ではバルタザールの我儘さが強いのかなぁって思っていたのですが、 危機的状況になった時のメルヒオールの強さにニヤニヤしてしまいました。

 身体は1つなのに、そのなかで会話し、ケンカし、仲良く、勝手に、生きていく2人は、この後どうなっていくのか、ちょっと気になるラストでした。

 こんなに素晴らしい作品なのに、新潮社から出版されていたものは絶版になっているのだとか。出版社って何なんだろ?って思っちゃいます。詳しくは著者のサイトを見てください。

1345冊目(今年86冊目)☆☆☆☆

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キング堂ブログ支店

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日本の作家 さ行」カテゴリの記事

コメント

Rokoさんこんにちは。
ご紹介ありがとうございます、楽しんでいただけたらなによりです。次はぜひ『天使』と『雲雀』をセットで読んでください。『天使』を一読してわかりにくかった点が『雲雀』を読んだら納得できて、そしたらまた『天使』が読みたくなって、さらに理解が深まったらもう一度『雲雀』を、と無限ループに陥ること間違いなしです(笑)

kingdowさん☆2冊セットですか~?
今度読んでみますね。

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» 佐藤亜紀2冊 [キング堂 ブログ支店]
バルタザールの遍歴 ひとつの体を共有する双子(二重人格ではない)の数奇な運命の物語。 貴女いったい何歳? 本当に日本人? これ何作目? 友達いる? 等々、思わずツッコミ入れてしまう驚異のデビュー作。媚びないドライさ、メタ構造など必要としない作品世界の構築力、圧倒的な情報量とそれの見せ方のスマートさが魅力。 天使 乱暴にまとめてしまえば「美少年超能力スパイもの」 上記の魅力がさらに洗練されて、「ついてこれない奴は置いていくわよ!」という感じのスピーディさ。これだけの内容でこのページ数とい... [続きを読む]

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