『僕は、そして僕たちはどう生きるか』 梨木 香歩
「僕は集団の圧力に負けたんだ」
ユージンの悲しみはとてつもなく深いものだったんだろうなぁ、その結果学校へ行くことを拒否してしまったのだけど、その選択は正しかったと思う。つまらない親切の押しつけをする教師から得るものなんて何もないんだもの。
家の中で古い本を紐解く方がずっと彼のためになっていたのは間違いないな。だって彼はすべての事を深く考えているんだもの。そして、正しい答えを自力で導き出しているんだもの。
世の中の人たちは、群れの中で生きることしか考えていないから、その中へいかに溶け込むかということばかり考えている。入試だって、就活だって、その一環でしかない。でもさ、それ以外の生き方ってのもあるんだよね。他人と違うからって間違ったことをしているわけじゃないんだから。
自分らしく生きるために群れない人生を選ぶことって、そんなに変なことなのかなぁ?人は人、自分は自分、自分が納得できる生き方をできるかどうかが問題なんだから、淡々と生きていければいいんじゃない?
そんなことを考えさせられる物語でした。
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