『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン6』 小路 幸也
堀田家のみなさんに会うと、元気を分けてもらえるような気がします。昔は当たり前だった大家族が、ここには生きてますねぇ!
それとね、昔は当たり前だったことがもう一つあるんですよ。
「堀田家にはサラリーマンがいない」んです。
わたしが子供のころ、友達の家のほとんどが商店か町工場でした。だからお父さんはほとんどが社長さん(笑)。たとえ従業員であっても職人タイプの人がほとんどでした。
世の中は、いつのまにやらサラリーマンだらけになっちゃいました。子供たちにとって、自分がご飯を食べているお金はどこからやってくるのかが分かりにくくなっちゃいましたね。それって実は危険なことであるような気がします。
職業を選択するにしても、会社勤めっていうのが1番になってしまって、お店を経営するとか、職人になるとか、野菜を栽培するとかっていう仕事、要するに自分ですべてを決定できる仕事があるということに気付かなくなっているんじゃないでしょうか。
堀田家は古本屋さんとカフェという目に見える仕事(実業)だから、こういう家で育った子は、虚業に騙されたりしないでしょうね。芸術を仕事にしている家族もいるってところも羨ましい限りです。
どんな会社に将来性あるんですか?なんて考えるよりも、この本を読んだ方が日本の未来は明るくなるような気がする今日この頃です。
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