『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』 河北新報社
あの震災から1年経ちました。大地震の想定はしていても、あんな津波に襲われるとは誰も想像していませんでした。災害当時は、被害の大きさを把握することさえできずにいたのです。
河北新報社は東北6県を発行区域とする新聞社ですから、3大紙とは明らかにスタンスが違っていたのですね。津波に襲われて必死に逃げる人たちが映し出されたスクープ写真があっても、それをそのまま使う事ができないこともあったのだそうです。
被災地から離れた地域の人なら(あえて酷い言い方をしてしまえば)「他人事」として見ることができる写真も、被災地の人にとっては辛過ぎるから、河北新報としては使えないという判断をしたという所に、地元密着を基本に置いているのだという強い意志を感じました。
この本には、自らも被災者でありながら、必死に取材をし、新聞を発行し続けた毎日が記録されています。配達された新聞を受け取った被災者の方々から「ありがとう」という言葉を頂いたというところに、新聞の役割というものを改めて考えてしまいました。
われわれはみな被災者だ
今は誰かを責めることは絶対にするな
こんな大変な状況で何かを成し遂げようとするとき、本当に大事なのはこういう決意なのです。
1386冊目(今年27冊目)☆☆☆☆☆☆
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