『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』 David Meerman Scott, Brian Halligan
日経BP社
グレイトフル・デッドって、わたしにとって謎のグループだったんですよ。その存在は70年代から知ってたけどどんな音楽をやってるんだか、どうしてそんなに大勢のファンがいるのか、ちっとも分からなかったんです。
映画「レッドオクトーバーを追え」にデッド・ヘッズの人が登場して、「コンサートに何回行った?」とう会話をしていて、いかに多くのコンサートに行ったのかを自慢してたのが記憶に残っています。そんなに何度も行けるっていいなぁって思いますモン。
この本には、そういうデッド・ヘッズの人たちの事が色々と出てきます。デッドのコンサートは音楽を楽しむだけじゃなく、その雰囲気を楽しみに行くとか、友達が増えるとか、いろんなファクターがあるんです。
デッド・ヘッズには色んなグループがあって、その中でも極めだと言えるのがデフ・ヘッズです。デフ(def 聴力障碍者)のグループも成立してしまうあたり、デッドがただのミュージシャンじゃないってことが分かります。
更に凄いのが、会場の横でTシャツやグッズを売ったりすることも自由なので、コンサートツアーには、そういう人たちもついていくので、それはそれは大人数が帯同するというんです。
デッドのロゴなどを使う事に一切の制限がないので、こういうことが可能なんですね。コンサートの様子を録音・録画することも自由だし、一般的に考えられいる商標権などの考え方を全く無視した運用をしています。
じゃあデッドは何で収入を得ているかというと、そのほとんどがコンサートの収益です。ただし、その手法は独創的!コンサート会場をおさえることも、チケットを発売するのも、すべて自力なんですよ!ムダな中間業者を入れないことによって、成立している彼らのビジネスは見事な健全経営なんです。
マスメディアや大きな組織に頼らなくてもビジネスはできるのだという素晴らしい見本なのだと驚きの連続の一冊でした。
1391冊目(今年32冊目)☆☆☆☆☆☆
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