『それをお金で買いますか - 市場主義の限界』 マイケル・サンデル
お金を払ってくれるなら何でもしましょうという発想は昔からあったけれど、近年はそれがどんどんエスカレートしてしまっています。
遊園地の順番待ちをお金を払う事で前に割り込めるとか、ダフ屋からチケットを買うなんてのはまだ序の口です。
社員に内緒で生命保険をかけて、死亡時に保険金を遺族に渡すのではなく、会社の収益としているとか、生命保険自体を債権化して、保険をかけた人が早めに死んだ場合はその金額を受け取るとか、そういうのって倫理的にいけないことじゃありませんか!
これまでにあった制度でも、良く考えてみると倫理的におかしくなってしまっていることもあります。
たとえば、保育園へ迎えに行くのに遅れたときに、無料だったら「すいません」という気持ちになるのに、「遅刻したら罰金」になった途端に「お金を払えば遅れてもいいんだ」と考えるようになる人がいるというのです。
「お金を払えば許される」というという気持ちに訴えかける商品が増えている今、倫理観というのはとても大事なことです。便利さだけを追って、人間として間違ったことをしないようにしないと。恐ろしい事が起こってからでは遅いのですから。
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» 市場は非常に有効なツール。では、それの限界は?:それをお金で買いますか――市場主義の限界 [本読みの記録]
それをお金で買いますか――市場主義の限界作者: マイケル・サンデル出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/05/16メディア: 単行本 経済学に対する哲学からの問題提起。 市場は価値中立的で、常に生産性を向上させるという経済学の主張に対して、市場経済の適用そのものによって失われる価値があることを指摘している。 ... [続きを読む]



この内容と同じもの、NHKで日本での公開授業やってたの観ました。
面白かったです。
町の名前変名ライセンス販売の是非から、自分の名前を幾らなら売るかって話になり、”マスターカード”って名前になってもいいか?っていう問答が最高に笑えました。考えさせらえますね、笑いながらも。
投稿: ジュール | 2012年7月10日 (火) 12:01
ジュールさん☆こんばんは
こういう問題は、自分に置き換えると分かりやすいですね。
自分の名前がそんな名前になってもお金をもらえればいいと思えるのか?
イイっていう人がきっといると思うけど、それはあくまでも個人の話ですよね。
お金のためとはいえ、勝手に売ってしまう自治体には住みたくないですね!
投稿: Roko(ジュールさんへ) | 2012年7月10日 (火) 20:10