『PK』 伊坂 幸太郎
「PK」「超人」「密使」の三篇からなるこの本、ちょっと分かりにくいところもあるけど、ニヤニヤしてしまう所は相変わらずの伊坂節なので、伊坂作品を何冊か読んでから読むことをお勧めします。
この3作、別の作品なんだけどリンクしていて、すべて読み終わったところでグルッと一回りしたなって感じなんです。
作品の中に出てきた「サラエボ事件」は実に興味深いですねぇ。オーストリアの皇太子夫妻が暗殺されたこの事件が発端となって第一次世界大戦が勃発したのです。この時に暗殺者が何人もいて、その内の何人かが失敗しているという部分が不思議なんですよ。
こういうネタを見つけるのが伊坂さんって上手いなぁ。こういう本当のネタの中に、想像で生み出したネタも混ざっていて、それこそ、ウソか誠か分からない感じってのが良かったです。
臆病は伝染する、そして勇気も伝染する
ウフフ、こういうフレーズが出てくると、いかにも伊坂さんって感じがします。モダンタイムスで、「実家に忘れてきました。何を?勇気を。」ってフレーズがあったことを思い出して、またニヤニヤしてしまうのです。
それと、デッドゾーンねたの再登場にも、これまた嬉しいのでした。
1436冊目(今年77冊目)☆☆☆☆☆
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苗坊の徒然日記
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こんにちは。
読んでいくうちにどんどん3つの話が絡んでいることが分かり、何度も前を読み返してしまいました。
様々な出来事が一つに繋がった時、流石だなと思いました。
「臆病は伝染する、そして勇気も伝染する」という言葉、私も好きです。伊坂さんらしいですよね^^
投稿: 苗坊 | 2012年9月18日 (火) 13:20
苗坊さん☆こんばんは
3つの話がどんどん絡んでいくところが面白かったですね。いかにも伊坂さんって感じです。
PKを蹴りそうで蹴らないところが、じれったくて面白かったです!
投稿: Roko(日月さんへ) | 2012年9月18日 (火) 20:33