『雪と珊瑚と』 梨木 香歩
主人公の珊瑚さんはシングルマザーです。働きに出るために、生まれたばかりの雪ちゃんをくららさんに預けることにしたところから、彼女の運命が変わっていったのです。
珊瑚さんは頑張る人です。そこまで我慢しなくてもいいのに、1人で何とかしなくっちゃと考える人なのです。それは彼女の育った環境の成せる業なんだけど、ちょっと痛々しいなと思えるところもあります。
彼女の周りの人たちは、それを概ね好意的にとってくれています。無理しなくていいよ、いつでも手伝ってあげるからというスタンスの人が多いのは嬉しい事です。
でも、そんな彼女に「あなたのやり方はワザとらしくて嫌だ」という人もいます。
そんな人の事を、嫌な奴だなぁとは思うけど、そういう風にハッキリと言える人はまだイイ方なんだなぁと思います。口には出さないけど腹の中でそう思っていることは自分にもよくあるし、人の事をどう思うかは、それぞれの自由なんですから。
珊瑚さんはくららさんから料理の手ほどきを受け、食べるものについて色々と考えます。わたしも一緒になって考えました。食べるという事は、本当に基本的なことです。なのに、ちゃんと考えていないことが多いですね。
食べるという行為は、すべての基本です。
食べることが身体を作る、心を作る、絆を作るのです。
いい加減にしているとすべてが壊れてしまうのだから、一つ一つを丁寧にしなければいけないなぁと思う気持ちが湧いてきました。
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