『暮しの手帖日記』 松浦 弥太郎
雑誌「暮しの手帖」の新編集長となられた松浦さんは、彼なりの新しいやり方と、これまでの歴史あるやり方を上手くミックスしてやってこられました。もちろん失敗もあるのでしょうが、失敗したことによって初めて分かったことも多々あると思います。
同じ仕事を長く続けていると「慣れ」が生まれます。それによって生まれる良いこともあれば悪いこと(惰性など)もあります。
初めてある仕事をするとき、その人なりの創意工夫で分からない部分を補っていきます。それゆえに至らないこともあるでしょう。でも、固定概念がない分、自由な発想で仕事をすることができる可能性もあります。
知らないということ、わからないということ、出来ないということが、なんて素晴らしいのだろう。とわたしは思いました。(本文より)
クラシックだと思われがちな「暮しの手帖」が、実は新しい考え方で運営されているのだということが、松浦さんの言葉の至る所から溢れてきます。新しく加わったメンバーの、新しい発想を取り入れていこうとする考えがあるからこそ、「暮しの手帖」は今も新鮮さを保ったまま生き続けているのでしょうね。
毎号の編集長のことばの最後に必ず書かれている「今日もていねいに」という言葉に、その気持ちが込められているのだと思うと、なんだかジーンとくるものがありました。
1452冊目(今年93冊目)☆☆☆☆☆
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