山下清展@日本橋三越
子供の頃、山下清って不思議な人だなぁって思ってました。
坊主刈りで、ランニングにパンでヌボーっとしたこの人が、なぜそんなに人気があるのかなぁ?
どうして彼の日常がドラマになっちゃうのかなぁ?
大人になってから、彼の貼り絵を見てビックリしました。その雰囲気からは想像できない緻密さがそこにあったんです。
更にビックリしたのは、彼は写生した絵を貼り絵にしていたわけではないんです。旅に出て、いろんな風景を見てきて、何か月も経ってから記憶だけで貼り絵を描いていたというんです。つまり、彼の頭の中には様々な風景が写真のように納められていたらしいのです。
今回の展覧会では、油絵、水彩画、ペン画、焼き物と、様々な手法で描かれた作品が展示されていました。
解説文を読んでいて面白かったのは、山下清は頭の中に完成した絵のイメージが出来上がっていたので、1回塗ってから乾くのを待たないと次の絵具を乗せられない油絵はお好みではなかったようで、ドンドン描いていきたい彼にとって貼り絵というのが、最も適していた画報であったらしいのです。
ペン画は悩みなくズンズン描いている感じなんです。人は揺らいでいる感じなんだけど、建物はとてもかっちりと描いていて、そのタッチがとても素敵でした。
海外へも、随分行っていたんですね。エッフェル塔やロンドンタワーブリッジなどを描いた作品もたくさん展示されていました。
こうやって、ちゃんと見るのは初めてなんだけど、彼の描く絵も、彼が写っている写真も、なんだかとっても懐かしいんです。昭和って、こんな感じだったなぁって思いました。
日本橋三越での展覧会は1月14日までです。
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